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2020年5月21日号

2020.05.21 発行

HEADLINE

 

◆ウイルス:AGCが製造を受託するCytoDyn社の新型コロナウイルス向け治療薬候補「レロンリマブ」が、米国での臨床試験を進行(5月14日)

◆ウイルス対策:AGC BiologicがAdaptVac社から新型コロナウイルス向けワクチン候補の製造を受託(5月14日)

◆ウイルス対策:デンカが「アビガン」の原料であるマロン酸ジエチルの生産を開始(5月13日)

◆ウイルス対策:AGCがオフィス空間の飛沫感染対策に有効なパーテーション用途に対応するため「ツインカーボ」の生産体制を増強(5月13日)

◆ウイルス対策:東洋紡の新型コロナウイルス検出キットが公的医療保険適用(5月12日)

◆ウイルス対策:三菱ケミカルがプラスチックガウン及びフェイスシールドの供給を開始(5月12日)

◆黒鉛:エア・ウォーターが熱膨張性黒鉛(TEG)事業の合弁会社の設立を発表(5月12日)

◆電子材料:住友電気工業が高品質SiC 6インチ単結晶基板の製品化に成功(5月11日)

◆価格改定

・オリエンタル酵母工業がイースト(パン酵母)を7月1日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆ウイルス:AGCが製造を受託するCytoDyn社の新型コロナウイルス向け治療薬候補「レロンリマブ」が、米国での臨床試験を進行(5月14日)

AGCは、CDMO事業子会社(製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社)であるAGC Biologics社が原薬製造を受託している、米国CytoDyn社の開発した新型コロナウイルス向け治療薬候補「レロンリマブ」について、米国FDAが第2b/3相臨床試験実施を承認したことを発表した。

本治療薬を新型コロナウイルスの患者に投与することで、サイトカインストームを抑制する効果等があり得ると考えられている。既に米国の新型コロナウイルス重症患者に実際に投与され、効果が確認されたことから、今回の臨床試験進行の承認がなされたとしている。

 

◆ウイルス対策:AGC BiologicがAdaptVac社から新型コロナウイルス向けワクチン候補の製造を受託(5月14日)

AGCのCDMO事業子会社であるAGC Biologicが、デンマークのAdaptVac社から、新型コロナウイルス向けワクチン候補の製造を受託したと発表した。

本ワクチンは、2020年後半からの臨床試験開始を目指し、AdaptVac社が開発しているものである。

AdaptVac社は、新型コロナウイルス感染拡大防止のためのEUのコンソーシアムのメンバーで、新型コロナウイルス向けワクチンの開発に取り組んでいる。同社の有するウイルス様粒子(VLP)技術は、高い安全性と有効性を持ち、新型コロナウイルスの感染から人体を保護する有効なワクチン候補として注目されている。

AGC Biologics社は、グローバルで統一された高水準の品質・サービス力を評価され、AdaptVacより新型コロナウイルス向けワクチンの製造パートナーとして選定されたとしている。

 

◆ウイルス対策:デンカが「アビガン」の原料であるマロン酸ジエチルの生産を開始(5月13日)

デンカは、新型コロナウイルス感染症の患者を対象とした抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル、以下「アビガン」)の原料となるマロン酸ジエチルの生産を5月16日より青海工場(新潟県)にて開始すると発表した。

同社では、今後も関係各方面と連携し、政府が決定した「アビガン」の備蓄量200万人分拡大に向け、5月末から6月にかけて出荷を開始し、確実な原料供給を行っていくとしている。

 

◆ウイルス対策:AGCがオフィス空間の飛沫感染対策に有効なパーテーション用途に対応するため「ツインカーボ」の生産体制を増強(5月13日)

AGCは、強靭なポリカーボネートシートを特殊な技術で一体成形した中空構造の透明シートである「ツインカーボ」の生産体制を増強したことを発表した。

同製品は、耐衝撃強度に優れている製品で、一般ポリカーボネートシートに比べ、重量は約1/5(6mm厚でも1平米あたり1.3kg)と超軽量であり、値段も経済的である。

今回、新型コロナウイルスの感染拡大下でオフィス・食堂などの飛沫感染対策に有効なパーテーション用途としてツインカーボの需要増加が見込まれるため、生産体制を増強した。オフィス空間の開放感やデザイン性を損なうことなく、新型コロナウイルスの飛沫感染対策の製品として提供するとしている。

 

◆ウイルス対策:東洋紡の新型コロナウイルス検出キットが公的医療保険適用(5月12日)

東洋紡は、同社の新型コロナウイルス検出キット『SARS-CoV-2 Detection Kit』が、国立感染症研究所が作成した「病原体検出マニュアル 2019-nCoV」に準じた方法に該当し、公的医療保険適用の対象となったことを発表した。

同キットは、これまで2時間半以上かかるのが一般的だったPCR法による新型コロナウイルスの抽出から検出・測定まで最短60分以内で実現する。また、同キットは、汎用的な遺伝子増幅装置(リアルタイムPCR装置)だけで使用可能である。なお、同キットは研究用試薬であり、医薬品医療機器等法に基づく体外診断用医薬品としての承認・認証等を受けていない。

東洋紡は2020年4月より、敦賀バイオ工場(福井県)において製造を開始し、研究用試薬として全国の研究機関や大学の研究室、製薬メーカーの研究部門向けに販売するとしている。

 

◆ウイルス対策:三菱ケミカルがプラスチックガウン及びフェイスシールドの供給を開始(5月12日)

三菱ケミカルは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療現場での深刻な物資不足に対する支援を目的に、同社グループ保有の生産技術やノウハウを応用することでプラスチックガウン及びフェイスシールドを開発し、子会社ジェイフィルムにて供給する体制を整えたと発表した。

月間生産能力はプラスチックガウンが2万枚、フェイスシールドが40万枚。5月初旬より一部の医療機関への寄付を行い、5月中旬からは厚生労働省をはじめ、一般の医療機関へも供給するとしている。

 

◆黒鉛:エア・ウォーターが熱膨張性黒鉛(TEG)事業の合弁会社の設立を発表(5月12日)

エア・ウォーター、東洋炭素、南海化学の3社は、これまでエア・ウォーターが単独で事業運営を行ってきた熱膨張性黒鉛(TEG)事業を3社の合弁事業とすることに関して、合弁会社設立契約を締結したと発表した。

熱膨張性黒鉛(TEG)は、天然の鱗片状黒鉛に硫酸を用いた層間化合物処理を施し、熱による膨張特性を与えた特殊黒鉛製品であり、自動車用エンジンのガスケットや化学プラントのパッキンなどのシール部品材料、断熱材などの建築材料や飛行機のシート材料向けの難燃剤として使用されている。

国内で唯一製造を行っているエア・ウォーターは、これまで日本製鉄・和歌山製鉄所の構内で熱膨張性黒鉛の製造を行ってきたが、生産体制の効率化と新たな用途開発が、今後の事業成長のための課題となっていた。今回、この3社が連携することによって、これらの課題を解決し、熱膨張性黒鉛事業のさらなる成長を図っていく。

今後、この3社による合弁新会社は、和歌山市内において2022年4月の完成を目途に新工場を建設し、コスト競争力と安定供給力を兼ね備えた生産体制を構築するとともに、放熱材等の電子材料分野をはじめとした用途開発に取り組んでいくとしている。

 

◆電子材料:住友電気工業が高品質SiC 6インチ単結晶基板の製品化に成功(5月11日)

住友電気工業は、6インチSiCパワーデバイス用単結晶基板『CrystEra』の開発に成功し、2020年度下期よりSiCエピタキシャル基板『EpiEra』への適用を開始すると発表した。

住友電気工業では、長年培ってきた化合物半導体技術に加え、高精度シミュレーションなどを取り入れた独自技術を駆使した成長炉の活用、硬脆性なSiCに適した加工技術構築により、低転位密度かつ厚みバラツキや反りが低減されたSiCパワーデバイス用の6インチ (150mm径) 基板『CrystEra』の製品化に成功した。

2020年度下期から、高品質SiCエピタキシャル基板『EpiEra』の基板として、今回製品化した『CrystEra』を適用する予定としている。

 

◆価格改定

・オリエンタル酵母工業がイースト(パン酵母)を7月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、16円/㎏

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