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2020年4月9日号

2020.04.09 発行

HEADLINE

 

◆水素関連:旭化成が福島水素エネルギー研究フィールドで世界最大規模の水素供給運転を開始(4月3日)

◆石灰石:デンカと明星セメントが石灰石鉱山の共同開発計画を発表(4月3日)

◆ウイルス対策:デンカが新型コロナウイルス感染拡大防止のため 「アビガン」の原料の生産を5月から開始予定(4月2日)

◆ウイルス対策:カネカの欧州グループ会社が新型コロナウイルス検査試薬の供給を開始(4月2日)

◆バイオベンチャー:住友化学が米国のバイオベンチャー企業に出資(4月2日)

◆農薬:住友化学が豪大手農薬会社ニューファーム社の南米子会社4社の買収を完了(4月1日)

◆非鉄金属:パンパシフィック・カッパーが2020年度上期の金属製品の生産予定を発表(4月3日)

◆非鉄金属:住友金属鉱山が2020年度の地金生産計画を発表(4月1日)

◆非鉄金属:三菱マテリアルが2020年度上期の地金生産計画を発表(4月1日)

◆非鉄金属:三井金属が2020年度上期の地金生産計画を発表(4月1日)

◆発泡体:積水化成品工業が植物由来原料を使用した高耐熱軽量発泡体を開発(3月30日)

◆水素関連:千代田化工建設と三菱商事がシンガポール民間5社と持続可能な水素経済実現に向けた協力に関する覚書を締結(3月30日)

◆価格改定

・JXTGエネルギーがベンゼンの契約価格を改定

・バンドー化学が伝動ベルトおよびプーリを5月1日受注分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆水素関連:旭化成が福島水素エネルギー研究フィールドで世界最大規模の水素供給運転を開始(4月3日)

旭化成および同社の関連会社である旭化成エンジニアリングは、福島県双葉郡浪江町にて10MW級大型アルカリ水電解システムを立ち上げ、水素の供給運転を開始したことを発表した。

本水電解システムは、東芝エネルギーシステムズより2017年に旭化成エンジニアリングが受注し、NEDOの技術開発事業として本年3月に開所した「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」に設置したものである。

今後、水素供給と並行して入力電力変動への応答特性などを評価した後、今夏よりFH2Rの中核設備として本格運転が開始される予定としている。

 

◆石灰石:デンカと明星セメントが石灰石鉱山の共同開発計画を発表(4月3日)

デンカと明星セメントは、次期石灰石鉱山開発計画を共同で進めていくことを決定したことを発表した。

開発予定地は黒姫山の南側斜面一帯を想定しており、すでに環境影響評価に着手している。また、開発計画に関しては産業の維持と環境保護の両面から検討する必要があると認識しており、今後糸魚川市において審議を要請していくとしている。

鉱山開発は準備、調査項目が多岐に亘り、計画には長期の時間と多額の費用を要することから、出鉱開始は概ね9年後の2029年頃を目標に進めているとしている。

 

◆ウイルス対策:デンカが新型コロナウイルス感染拡大防止のため 「アビガン」の原料の生産を5月から開始予定(4月2日)

デンカは、日本政府の要請を受け、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者を対象とした抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」(アビガン)の原料となるマロン酸ジエチルの生産を5月から開始する予定であることを発表した。

アビガンは、富士フイルム富山化学が開発したCOVID-19への治療効果が期待される抗インフルエンザ薬である。今回、日本政府より国内での一貫した供給体制を構築するため国産の原料を使用したいとの要請を受け、マロン酸ジエチルの供給を決定した。

マロン酸ジエチルは合成香料・農薬・医薬品などの原料として使用される有機化合物で、同社グループ内で原料から最終製品に至る一貫生産体制のもと2017年4月までマロン酸ジエチルの生産を行ってきた。

デンカでは、マロン酸ジエチルの生産にあたり青海工場(新潟県糸魚川市)の設備を再稼働させ、2020年5月より生産を開始する予定としている。

 

◆ウイルス対策:カネカの欧州グループ会社が新型コロナウイルス検査試薬の供給を開始(4月2日)

カネカのグループ会社Kaneka Eurogentec(本社:ベルギー)は、ベルギー政府の要請により新型コロナウイルス検査に使用されるPCR検査試薬の生産を強化し、初回分として約20万回分相当のPCR検査試薬をベルギー国内および近隣国の病院、検査機関、研究機関などへ供給をスタートしたことを発表した。

ベルギーNamur大学は特殊な装置専用試薬を使用しない簡便な検出法の開発に成功し、ベルギー連邦医薬保健製品庁により新型コロナウイルス検査法として承認された。この検査に同社のPCR検査試薬(Takyon)が採用されており、今回のベルギー当局からの供給要請となった。

さらに同社は、高品質のmRNAやプラスミドDNAの世界トップクラスの技術を保有しており、製薬企業やバイオベンチャーが開発を加速している新型コロナウイルスワクチン向けmRNAやプラスミドDNAのGMP受託製造を強化し、旺盛な引き合いに対応するとしている。

 

◆バイオベンチャー:住友化学が米国のバイオベンチャー企業に出資(4月2日)

住友化学は、米国のバイオベンチャー企業であるコナジェン社に30百万USドルを出資したことを発表した。

コナジェン社は、合成生物学を活用して微生物の設計と培養から発酵プロセスの工業化までを一貫して行うことに強みを持つ研究開発型のバイオテクノロジー企業である。

住友化学は、合成生物学と化学技術を融合させることにより、化学合成だけでは製造が困難な高機能製品や、高効率かつクリーンで省エネルギーなプロセスを開発し、新事業の創出を加速させることが可能になると考えている。

一方、コナジェン社は、機能性食品素材や香料などに続く新分野での事業化に向け、ダウンストリームプロセスや安全性評価などの共通的な基盤技術や、化学企業との戦略的協業を望んでいることから、今回の出資に至った。

今回の出資により戦略的業務提携を一層推進し、合成生物学を活用した画期的な高機能製品や革新的プロセスの開発を目指すとしている。

 

◆農薬:住友化学が豪大手農薬会社ニューファーム社の南米子会社4社の買収を完了(4月1日)

住友化学は、ニューファーム社のグループ会社が所有のブラジル子会社1社、およびアルゼンチン、チリ、コロンビアの子会社3社の全株式を、それぞれ同社子会社である住友化学ブラジル社と住友化学チリ社を通じて取得することについて、規制当局による審査など全ての手続きが終了し、2020年4月1日付で買収を完了したことを発表した。

住友化学は、本買収によって、世界最大の農薬市場であるブラジルをはじめとした南米地域において、確固たる自社開発・販売体制を構築することができる。また、ダイズさび病などに高い効果を示す同社独自開発の新規殺菌剤について、2020年以降に予定する南米地域での上市直後から着実に販売を行い、飛躍的な増収につなげる考えである。さらに、保有する製剤化拠点を獲得したことから、ブラジルの研究開発施設と合わせ、開発から製造、販売まで一貫した事業運営を実現するとしている。

 

◆非鉄金属:パンパシフィック・カッパーが2020年度上期の金属製品の生産予定を発表(4月3日)

パンパシフィック・カッパーは、2020年度上期の金属製品の生産予定を発表した。

2020年4月から2020年9月の期間において、銅は295,500t/期(前年同期:299,300t/期)、硫酸は937,700t/期(前年同期:869,800t/期)、金は18,000㎏/期(前年同期:18,800㎏/期)、銀は156,100㎏/期(前年同期:180,900㎏/期)の生産予定としている。

 

◆非鉄金属:住友金属鉱山が2020年度の地金生産計画を発表(4月1日)

住友金属鉱山は、2020年度の地金生産計画を発表した。

年間生産量の計画について、電気銅は450,000t、電気ニッケルは60,800t、フェロニッケルは13,800t、金は16,700㎏、銀は200,800㎏の生産を予定している。

なお、この生産計画は、新型コロナウイルスの影響が顕在化する以前に策定した数値となり、新型コロナウイルスの各地金生産への影響は精査中である。

定期補修の予定については、東予工場(電気銅)は予定なし。日向製錬所(フェロニッケル)は2系列保有するキルンのうち、1系列が9月に22日間と2月から3月にかけて9日間、別の1系列が9月に19日間と2月から3月にかけて17日間、補修工事を実施する予定としている。

 

◆非鉄金属:三菱マテリアルが2020年度上期の地金生産計画を発表(4月1日)

三菱マテリアルは、2020年度上期の地金生産計画を発表した。

2020年4月から2020年9月の期間において、銅は30,899t/月(前年同期:28,136t/月)、鉛は2,323t/月(前年同期:2,205t/月)、金は3,400kg/月(前年同期:3,015kg/月)、銀は27,500kg/月(前年同期:26,805kg/月)の生産を計画している。

前年同期実績と比較すると、銅については、直島が約8%増、小名浜は約13%増、全体では前年同期から約10%増となる計画である。

金および銀の増加については、2018年度下期における直島製錬所での炉修の影響により前年4月の生産が落ち込んでいたことが主要因としている。

 

◆非鉄金属:三井金属が2020年度上期の地金生産計画を発表(4月1日)

三井金属は、2020年度上期における地金生産計画を発表した。

2020年4月から2020年9月の期間において、亜鉛は105.0千t/期(前年同期:108.5千t/期)、鉛は32.9千t/期(前年同期:34.1千t/期)、金は2.7t/期(前年同期:2.7t/期)、銀は106.2t/期(前年同期:84.6t/期)の生産計画とし

ている。

 

◆発泡体:積水化成品工業が植物由来原料を使用した高耐熱軽量発泡体を開発(3月30日)

積水化成品工業は、持続可能社会に貢献する高耐熱軽量発泡体「ST-Eleveat」の植物由来グレードを開発したと発表した。

「ST-Eleveat」は、エンプラ及びスーパーエンプラを主原料とする発泡体で、特に高温環境下での使用に適している。

今回、「ST-Eleveat」シリーズに、植物由来の素材を適用した「ST-Eleveat」BIO を追加した。石油由来の原料を持続可能な植物由来資源に置き換え、発泡化技術を駆使して「ST-Eleveat」の新たなグレードを確立することに成功した。同品は植物由来原料を使用しているため、カーボンニュートラルでCO2を増やさない、環境負荷の小さい製品としている。

 

◆水素関連:千代田化工建設と三菱商事がシンガポール民間5社と持続可能な水素経済実現に向けた協力に関する覚書を締結(3月30日)

千代田化工建設と三菱商事は、シンガポールの民間5社(City Gas社、Jurong Port社、PSA Corporation Limited社、Sembcorp Industries社、Singapore LNG Corporation社)とシンガポール政府関係者の同席の下、シンガポールの持続可能な水素経済の実現に向けた相互協力について覚書を締結したと発表した。

シンガポール政府は、長期低排出発展戦略を2020年に発表し、2050年までに同国CO2排出量を2030年の半分(年間3,300万トン)に削減し、21世紀後半のできるだけ早い時期に「CO2排出量実質ゼロ」を達成することを目標としている。

この7社はシンガポールの長期CO2排出量削減に向け、また、競争力のある持続可能な未来に向け、水素の輸入および利用を進める事業の実現に向け、技術および商務面の評価・検討を協力して進めていくとしている。

 

◆価格改定

・JXTGエネルギーがベンゼンの契約価格を改定

4月契約価格は、335$/t(前月比▲330$/t)、国内価格換算想定値は41.6円/kg

・バンドー化学が伝動ベルトおよびプーリを5月1日受注分より値上げ

値上げ幅は5%。但し、特殊シンクロベルト(耐油・耐熱仕様)、両面STSベルト、両面シンクロベルトは10%アップ

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