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2020年4月23日号

2020.04.23 発行

HEADLINE

 

◆ゴム関連:JXTGエネルギーがサウジアラビアにおけるENB製造装置新設を検討(4月17日)

◆電子材料:JXTGエネルギーがナノインプリント技術による無機材料を用いた拡散板および回折光学素子の販売を開始(4月17日)

◆ウイルス対策:カネカが富士フイルムと「アビガン錠」の原薬供給で合意(4月16日)

◆ウイルス対策:住友化学が新型コロナウイルス感染症対策支援として医療用ガウン向けフィルムを提供(4月16日)

◆電池関連:三洋化成が次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の要素技術をAPBにライセンス供与(4月16日)

◆リサイクル:積水化学がゴミをエタノールに変換する技術の事業化を目的に合弁会社を設立(4月16日)

◆電子材料:三菱ガス化学が電子材料海外生産子会社の生産能力を増強(4月14日)

◆電子材料:エア・ウォーターが「SiC on Si基板」を用いたパワートランジスタ用GaN 基板を開発(4月14日)

◆ウイルス対策:東レがマスク用不織布の国内向け供給体制を強化・拡充(4月13日)

◆経営:日本触媒と三洋化成工業が共同株式移転による経営統合の延期および株式移転比率の見直しを発表(4月13日)

◆リサイクル:デンカがポリスチレン樹脂のケミカルリサイクルの事業化に着手(4月13日)

◆フィルム、昭和電工、産総研、NEDO、ADMATがAIの活用によりフレキシブル透明フィルム開発の迅速化を実証(4月13日)

◆価格改定

・東海カーボンがカーボンブラックを5月1日納入分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆ゴム関連:JXTGエネルギーがサウジアラビアにおけるENB製造装置新設を検討(4月17日)

JXTGエネルギーは、サウジアラビアにおいてENB(エチリデン・ノルボルネン)製造装置新設の事業化可能性調査(FS)を開始したことを発表した。

ENBは、自動車の窓枠やラジエターホース等に使用される合成ゴム(EPDM)の製造に欠かせない成分であり、中長期的に見込まれる世界的な自動車生産の増加に伴い、同成分の需要も堅調に拡大すると見込まれている。同社では、これまで日米で生産体制を拡大してきている。

今回FSを開始したサウジアラビアでは、Saudi Arabian Oil CompanyとTotal Raffinage Chimieが出資するAMIRALプロジェクトの原料供給を背景に、継続的な成長が見込まれるENB需要に対する生産体制の構築が可能になる。

FSの前提となるENB製造装置新設の計画は、生産能力が年産23千トン、商業運転開始は2020年代後半としている。

 

◆電子材料:JXTGエネルギーがナノインプリント技術による無機材料を用いた拡散板および回折光学素子の販売を開始(4月17日)

JXTGエネルギーは、ナノインプリント技術商品「Nanoable」のラインナップのひとつとして、新たに高耐熱拡散板「Nanoable Diffuser」および高耐熱回折光学素子「Nanoable Diffractive Optical Element」の販売を開始したと発表した。

近年、長寿命化や環境負荷低減の利点を有したレーザーやLEDなどの固体光源が急速に普及している。その固体光源の光源周りで使用される光学素子には、高耐熱、高耐光、長寿命が必要となり、より信頼性の高い無機材料製のものが求められている。

今回、販売を開始した製品は、そのニーズに対応するため、ナノインプリント生産技術・設備を活用して、無機材料のみで構成された製品である。いずれも、ユーザーニーズに応じてカスタマイズすることができ、自社設計のみならず、受託加工にも対応するとしている。

 

◆ウイルス対策:カネカが富士フイルムと「アビガン錠」の原薬供給で合意(4月16日)

カネカは、富士フイルムと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向けの抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」の原薬を供給することを合意したと発表した。

日本政府は、COVID-19がますます拡大する中、効果が期待される「アビガン錠」の備蓄量を200万人分まで拡大することを決定し、富士フイルムは生産体制を拡充させ、増産を開始した。

カネカはメジャーサプライヤーとして原薬の供給を要請され、7月より供給を開始するとしている。

 

◆ウイルス対策:住友化学が新型コロナウイルス感染症対策支援として医療用ガウン向けフィルムを提供(4月16日)

住友化学は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、医療従事者が着用するディスポーザブルの医療用ガウンが不足していることを受けて、他用途に提供している同社グループのポリエチレンフィルムの中から本用途に合致するフィルムを緊急かつ優先的に提供することを発表した。

当該フィルムはサンテーラ社をはじめ同社のグループ会社が加工し、日本政府の指定を受けたガウン縫製企業に供給するもので、縫製されたガウンは医療現場に届けられるとしている。

 

◆電池関連:三洋化成が次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の要素技術をAPBにライセンス供与(4月16日)

三洋化成は、子会社で、次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発を行うAPBに全樹脂電池の要素技術のライセンスを供与することを決定し、非自動車用途における全樹脂電池の開発、製造及び販売をAPB が行う権利を許諾する実施許諾契約を締結したことを発表した。

全樹脂電池は三洋化成が新開発した樹脂を用い、活物質に樹脂被覆を行い、樹脂集電体に塗布をすることで電極を形成している。独自の製造プロセスにより、従来のリチウムイオン電池よりも工程を短縮することで、製造コスト・リードタイムの削減を実現するとともに、高い異常時信頼性とエネルギー密度を実現している。また、電極の厚膜化が容易に行え、セルの大型化が可能で形状自由度が高いことも特長である。

同社は引き続き、全樹脂電池事業に経営資源を投入し、APBと共同で全樹脂電池の開発を進めていくとしている。

 

◆リサイクル:積水化学がゴミをエタノールに変換する技術の事業化を目的に合弁会社を設立(4月16日)

積水化学とINCJは、積水化学と米国ベンチャー企業LanzaTechが共同開発した、微生物触媒を活用して可燃性ゴミをエタノールに変換する技術(BRエタノール技術)の実証事業の実施、および事業展開を行うことを目的として、合弁会社「積水バイオリファイナリー」を設立したことを発表した。

合弁会社においては、BRエタノール技術の実用化・事業化に向けた最終段階の実証を行うため、まず、岩手県に実証プラントを新設し、2021年度末に稼働を開始、実証事業を行う予定である。実証プラントにて生産したエタノールを、多くの業界の企業等に提供し、エタノールを活用する様々な製品・事業の検証を行う予定である。これらの取り組みを経て、BRエタノール技術の本格事業化を目指すとしている。

 

◆電子材料:三菱ガス化学が電子材料海外生産子会社の生産能力を増強(4月14日)

三菱ガス化学は、BT積層材料の生産子会社であるMGCエレクトロテクノ(ET)のタイ子会社であるMGC ELECTROTECHNO THAILAND(ETT)における半導体パッケージ用BT材料の生産能力増強を決定したと発表した。

三菱ガス化学は2013年から2拠点体制においてBT積層材料のグローバルな供給体制を構築している。国内のETは、マザー工場として新製品の量産化、先端・高性能・少量多品種の生産を担当し、タイのETTは大量少品種の生産を担当している。

電子業界全体では広く市場が成長し、半導体市場もデータセンター向け投資の増加、5Gの本格的な普及や自動車向けの需要の伸びが期待されている。

三菱ガス化学は、これらの需要に応え、新規ビジネスを積極的に獲得し事業拡大を推進するため、ETTに製造設備を追加導入することにより、生産能力増強を実現するとしている。

 

◆電子材料:エア・ウォーターが「SiC on Si基板」を用いたパワートランジスタ用GaN 基板を開発(4月14日)

エア・ウォーターは、自社が製造する「SiC(シリコンカーバイド) on Si(シリコン)基板」を用い、その表面にトランジスタ層を含むGaN(窒化ガリウム)層を成膜したパワートランジスタ用GaN基板を開発したと発表した。

これは、安価なSi基板を用いた「SiC on Si基板」がGaNパワートランジスタ用として実用化レベルに至った世界で初めての事例となる。

エア・ウォーターの顧客であるデバイスメーカーが本基板を用いたパワートランジスタを量産ラインで試作し、実証試験を行った結果、デバイス製造プロセスにおける品質の安定性(歩留まりの向上)を確認することができた。

エア・ウォーターは顧客と協力し、実用化に向けた取り組みを進めていくとしている。

 

◆ウイルス対策:東レがマスク用不織布の国内向け供給体制を強化・拡充(4月13日)

東レは、東レグループの有するグローバルな生産設備をフル活用し、日本国内向けに、マスク用不織布の供給体制を強化・拡充する方針を決定したと発表した。

東レグループではこれまで、海外子会社でマスク用不織布の増産を進めてきており、現在では国内の大手マスクメーカーを中心に、1ヶ月あたりマスク約3千万枚分を供給している。先ずはこれら設備での更なる増産を行うことで、東レグループからの日本国内メーカー向けの供給量を、今年5月から1ヶ月あたりマスク約6千万枚にまで拡大させる。

一方、日本国内では、東レ滋賀事業場内にある不織布試験設備の量産対応化検討に着手しており、今年5月以降に1ヶ月あたり最大でマスク約2千万枚分の国内供給体制確立を計画している。

加えて、医療関係者向けの防護服についても、国内外を含めた生産・供給体制を早期に確立し、日本国内に供給していくことを検討中としている。

 

◆経営:日本触媒と三洋化成工業が共同株式移転による経営統合の延期および株式移転比率の見直しを発表(4月13日)

日本触媒および三洋化成工業は、共同株式移転の方式により両社の親会社となる統合持株会社である「Synfomix株式会社」を設立し、2020年10月1日に統合持株会社の成立を予定していたが、昨今の新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大や原油・石油製品相場の急落等を踏まえ、本経営統合の延期と本最終契約において合意した株式移転比率の見直しを行うことを決議し、最終契約に関する覚書を締結したことを発表した。

 

◆リサイクル:デンカがポリスチレン樹脂のケミカルリサイクルの事業化に着手(4月13日)

デンカの持分法適用関連会社である東洋スチレンは、使用済みPS(ポリスチレン)のケミカルリサイクル事業化に向け、米国に本社を持つプラスチックリサイクルのグローバル企業アジリックス社と日本国内市場における技術ライセンス契約を締結したと発表した。

デンカ千葉工場内に、使用済みPSを熱分解しその原料であるSM(スチレンモノマー)を再生する約3千トンの年間処理能力を持つ実証設備建設の具体的検討に着手し、2021年度末の操業開始を目指すとしている。

今回の方式は、ポリマーからモノマーに熱分解し易いというスチレン系樹脂の特徴を生かしたケミカルリサイクルという手法であり、リサイクルスチレンモノマーから製造されたポリスチレンの用途には制限がない手法である。またCO2の発生量も通常の生産方法と比較して半減させることが可能としている。

 

◆フィルム、昭和電工、産総研、NEDO、ADMATがAIの活用によりフレキシブル透明フィルム開発の迅速化を実証(4月13日)

昭和電工、産業技術総合研究所(産総研)、新エネルギー・産業技術総合開発機構以下、NEDO)、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)は、フレキシブル透明フィルムの開発に人工知能(AI)を活用することにより、要求特性を満たすフィルムの開発の実験回数を25分の1以下に低減できることを実証したと発表した。

今後は本技術をさらに高度化させ、要求特性を満たしながらより良い物性値となる配合比をAIが提案できるように開発を進めていくとしている。

 

◆価格改定

・東海カーボンがカーボンブラックを5月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、6.0円/㎏

 

 

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