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2020年1月23日号

2020.01.23 発行

HEADLINE

 

◆電子材料:DICグループが静電気による放電破壊を防止するフォトマスクを開発(1月17日)

◆成形材料:住友ベークライトが高寸法精度フェノール樹脂成形材料の販売を開始(1月15日)

◆エラストマー:デンカが自動車向けに新たな高耐熱アクリル系特殊エラストマーを開発(1月15日)

◆発泡体:BASFがVOC排出を抑えた新しいフォームグレード『Basotect UF+』を発表(1月15日)

◆複合板:三菱ケミカルが欧州の防火規格「Euroclass A1」をアルミ樹脂複合板として世界で初取得(1月14日)

◆UVフィルター:BASFがUVフィルターの生産能力を増強(1月10日)

◆価格改定

・東洋紡が包装用ポリエステルフィルム製品『サイクルクリーン』、『バイオプラーナ』を2月21日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆電子材料:DICグループが静電気による放電破壊を防止するフォトマスクを開発(1月17日)

DICと100%子会社のトピックは、静電気による放電破壊を防止するフォトマスク(ESD障害対策クロムフォトマスク)の共同開発に成功したと発表した。

フォトマスクは、スマートフォンやタブレットなどの電子デバイスに用いる電子回路基板を製造する際に、電子回路基材に回路を描写する工程で利用される原版である。フォトマスクの遮光層には導電性遮光膜(金属クロム)を使用したフォトマスクがあり、放電して破壊されるESD(Electro Static Discharge)障害が発生することがあり、歩留まり低下の大きな原因となっていた。

今回開発したESD障害対策クロムフォトマスクは、クロムマスクにESD障害を抑制するため特殊コーティングを施すことで、電子デバイスメーカーの製造工程における歩留まり向上とESD障害の防止の両立を実現した。さらに、クリーンルーム内の異物付着防止や、付着した異物の容易な除去などの効果も期待でる。

DICでは、今後次世代通信規格「5G」の商用サービスが本格的に開始することで、5G対応の電子デバイスやIoTデバイスの需要が急激に高まると予測しており、同製品を2020年3月より国内および東南アジア地域の電子部品・半導体市場に投入し、同年の売上高2億円を目指すとしている。

 

◆成形材料:住友ベークライトが高寸法精度フェノール樹脂成形材料の販売を開始(1月15日)

住友ベークライトは金属加工部品に匹敵する寸法精度を一般的な射出成形で達成できる高寸法精度フェノール樹脂成形材料SUMIKON PM SiONシリーズを開発し、販売開始したことを発表した。

開発された材料は、等方性があるため、成形時の金型転写性が良く、連続成形時の寸法ばらつきを従来のガラス繊維強化材料の3分の1に抑えることが可能である。また、線膨張率や機械的特性にも等方性があり、最弱であるウェルド部の強度も高い状態を維持するといった特徴がある。

本製品は、アルミダイキャストや焼結金属を削って寸法精度を出している部品の金属代替用の素材として適用範囲の拡大が期待される。従来金属部品から20~60%の軽量化が可能となることが、エネルギー効率の改善を可能とし、自動車部品を中心とした金属部品の樹脂代替を加速させることが可能になる。

同社では、等方性を特徴とした高寸法精度成形材料『SiON』シリーズを種々開発しており、これまで寸法精度が課題となり適用が難しかった用途に展開を進め、将来的に10億円以上の売り上げを見込んでいるとしている。

 

◆エラストマー:デンカが自動車向けに新たな高耐熱アクリル系特殊エラストマーを開発(1月15日)

デンカは、アクリル系をベースに高耐熱性を実現した特殊エラストマーを新たに開発したことを発表した。

近年、世界的な環境規制の高まりを受けて自動車市場ではディーゼル車からターボ機能を搭載したガソリン車へ注目が集まっている。ガソリン車においてはさらなる環境負荷低減に向けてエンジンのダウンサイジング化が進み、高出力を可能にする耐熱性に優れたターボホース用のゴムが求められている。

今回新たに開発した特殊エラストマーは、アクリル系特殊ゴム「デンカER」で培った高分子ポリマー設計技術、精密重合・配合技術を応用・深化させることにより、耐油性等の従来の優れた性能を保持しつつ、アクリル系エラストマーとしてこれまで困難であった約190℃の温度領域下での高耐熱性を実現したとしている。

 

◆発泡体:BASFがVOC排出を抑えた新しいフォームグレード『Basotect UF+』を発表(1月15日)

BASFは、揮発性有機化合物(VOC)排出を抑えた鉄道車両や建築用途に最適な吸音・断熱の新しいフォームグレード『Basotect UF+』を発表した。

『Basotect』(バソテクト)はBASFのメラミン樹脂発泡体のオープンセルフォームである。元々耐火性の素材であるため、優れた防火性能を備えており、難燃剤を添加する必要がない。最大240℃の環境で使用でき、広範囲の温度域で安定した特性を保持する。またオープンセルの気泡構造により、軽量で吸音性と断熱性に優れているほか、低温柔軟性も実現している。『Basotect』は、自動車、航空宇宙、建築からコンシューマー製品まで、多くの産業で使用されている。

BASFでは、『Basotect』製品ラインアップを拡充しており、新しいグレードである『BasotectUF+』は、VOC排出を抑えた非常に軽量かつ柔軟性を備えたフォームである。鉄道車両における断熱だけでなく吸音と絶縁にも適している。また、建物の空調機器(HVAC)にも最適で、設備の騒音も効果的に低減するとしてる。

 

◆複合板:三菱ケミカルが欧州の防火規格「Euroclass A1」をアルミ樹脂複合板として世界で初取得(1月14日)

三菱ケミカルは、同社のアルミ樹脂複合板「ALPOLIC(アルポリック)」が、各地域や国ごとに異なる建築材料の防火規格の中でも最も厳しいとされる規格の一つである欧州の「Euroclass A1」に、アルミ樹脂複合板として世界で初めて合格したと発表した。

アルポリックシリーズは、芯材の両面にアルミニウム板等を貼り合わせて一体化した三層構造の複合板で、優れた意匠性・平面性や加工・施工時の取扱の良さから、建材をはじめ産業資材や広告看板用途材料として世界100ヵ国以上で広く使用されている。

近年各国で防火規制が強化されるなか、今後豪州では「アルポリック NC」、欧州を含む他の地域では「アルポリック A1」の名称で積極的に販売活動を行い、アルミ単板等の他素材からの置き換え含め、防火対応不燃グレードとして市場からの需要に応えていくとしている。

 

◆UVフィルター:BASFがUVフィルターの生産能力を増強(1月10日)

BASFは、日焼け止め製品に使用されるUVフィルターの生産能力を継続的に増強することを発表した。

近年、肌の健康のためのサンケアの重要性に対する消費者意識の向上に加え、ヨーロッパ市場でのオクトクリレンフリー処方への切り替え傾向など、新世代のUVフィルターに対する世界的な需要が高まっている。

生産能力の拡大は、ブロードバンドUV防御のベンチマークとなっている3つの新世代UVフィルター『Tinosorb S』、『Uvinul A Plus』、『Uvinul T150』において実施する。『Tinosorb S』はUVAとUVBの吸収に優れ、高SPF日焼け止め製品で一般的に使用されている。『Uvinul A Plus』はUVAの吸収に最適であり、『Uvinul T150』は市場で最も効率的なUVBフィルターである。

生産能力増強の最初のステップとして、グレンザッハ工場およびルートヴィッヒスハーフェン工場で製造におけるボトルネックを解消した。将来的には『Tinosorb S』、『Uvinul A Plus』、『Uvinul T150』のバリューチェーンで二桁台のパーセンテージまで生産能力を引き上げることを目指すとしている。

 

◆価格改定

・東洋紡が包装用ポリエステルフィルム製品『サイクルクリーン』、『バイオプラーナ』を2月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は、350 円/連(12μm換算、連:500㎡)

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