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2019年12月26日号

2019.12.26 発行

HEADLINE

 

◆電子材料:三井金属が銅箔事業の米国子会社を売却(12月20日)

◆太陽光発電:JXTGエネルギーが太陽光発電開発事業者と業務・資本提携を締結(12月20日)

◆バイオポリマー:カネカが生分解性ポリマーの年産5,000トンのプラントを竣工(12月19日)

◆非鉄金属:JX金属と三井金属鉱業、パンパシフィック・カッパーが銅合弁事業運営体制を見直し(12月19日)

◆LPガス:エア・ウォーターがベトナムに進出、LPガス合弁事業を開始(12月19日)

◆電子材料:東レが5G回路基板用革新PPSフィルムを創出(12月19日)

◆電池材料:セントラル硝子がコバルトやニッケルなどを含まない次世代二次電池開発への取り組みを発表(12月19日)

◆水処理膜:東レが世界最高レベルの造水性能を有する海水淡水化向け逆浸透(RO)膜を創出(12月18日)

◆価格改定

・東ソーがポリエチレンを1月21日納入分より値上げ

・プライムポリマーがポリエチレン及びポリプロピレンを1月21日納入分より値上げ

・日本ポリエチレンがポリエチレンを1月15日納入分より値上げ

・日本ポリプロがポリプロピレンを1月15日納入分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆電子材料:三井金属が銅箔事業の米国子会社を売却(12月20日)

三井金属は、銅箔事業の米国子会社である Oak-Mitsui Inc.(OMI)の全株式を、日本電解へ譲渡することで合意したと発表した。

米国における電解銅箔市場は、同社が主力とするプリント配線板向け銅箔の大きな成長が望めない中、日本電解が強みとするリチウムイオン電池向け銅箔においては需要拡大が予測されるため、本譲渡の合意に至った。

三井金属は、経営資源をキャリア付き極薄銅箔「MicroThin」等のハイエンドプリント配線板用途への最適配分を通じて、銅箔事業のさらなる拡大を図るとしている。

 

◆太陽光発電:JXTGエネルギーが太陽光発電開発事業者と業務・資本提携を締結(12月20日)

JXTGエネルギーは、太陽光発電開発事業者のリニューアブル・ジャパンとの業務・資本提携契約を締結したことを発表した。

リニューアブル・ジャパンは、再生可能エネルギー事業者として、太陽光発電所建設にかかる企画、開発、EPC(設計、調達、建設)、ファイナンス、発電所にかかる運営、保守管理及び、太陽光発電所等の開発を行っている。

JXTGエネルギーでは、今回の業務提携により、競争力の高い再生可能エネルギー電源の開発・運営を目指すとしている。

 

◆バイオポリマー:カネカが生分解性ポリマーの年産5,000トンのプラントを竣工(12月19日)

カネカは、高砂工業所(兵庫県)において、「カネカ生分解性ポリマーPHBH」(以下、PHBH)の能力増強工事を予定通り終え、竣工式を行ったと発表した。投資額は約25億円で、生産能力は従来の5倍にあたる約5,000トン/年となる。

欧州では、使い捨てプラスチック削減に向けて各種規制が強化されており、特にフランスでは2020年1月から規制が厳格化され、PHBHの販売が急拡大する見込みである。国内では、セブン‐イレブン・ジャパンがPHBH製ストローの採用を開始しており、また、資生堂では化粧品容器の共同開発を行っている。さらに、グローバル展開している多数のブランドホルダーともストロー、レジ袋、カトラリー、食品容器包装材など幅広い用途で検討が進んでおり、5,000トン/年プラントは早期にフル稼動になる見通しである。

同社は今回の生産能力増強にとどまらず、今後もグローバル規模で拡大する需要にタイムリーに応えるため早期に本格的量産プラントの建設を決定する見通しとしている。

 

◆非鉄金属:JX金属と三井金属鉱業、パンパシフィック・カッパーが銅合弁事業運営体制を見直し(12月19日)

JX金属、三井金属鉱業およびパンパシフィック・カッパー(以下:PPC)の3社は、関係当局の許認可が得られることを前提として、2020年4月をもってPPCが運営する銅製錬機能である佐賀関製錬所および日立精銅工場と、PPC日比製煉所および日比共同製錬玉野製錬所を、JX金属、三井金属へ移管し、それぞれが製錬子会社を設立し、運営することについて基本合意致したことを発表した。

JX金属および三井金属がそれぞれ独自に製錬所を活用していくことにより、現在の銅製錬機能の競争力をより高められると判断した。

運営体制変更後は、JX金属および三井金属は、それぞれが銅製錬受託者としてPPCから原料供給を受け、製錬し産出される銅・金・銀・硫酸等の製品をPPCへ返還する。PPCは、銅製錬委託者として規模のメリットを確保しつつ、従来通り原料を調達し、返還された製品の販売を担うとしている。

 

◆LPガス:エア・ウォーターがベトナムに進出、LPガス合弁事業を開始(12月19日)

エア・ウォーターは、ベトナムの大手LPガス事業者であるパシフィックペトロ社(以下、PP社)と、ベトナムのホーチミン市を主要な事業エリアとするLPガス事業を共同で行うことについて合意したと発表した。

ベトナムは日本からの進出企業も多く、人口の増加とともに社会インフラの整備や製造業への投資等、高い経済成長が続くことが予測される。また、同国のLPガス市場は、国営独占から民営化への潮流がある中、電気に比べてLPガスにコスト優位性があることなどを背景に年率8~9%の伸びを示している。一方、PP社は、ベトナム最大の人口を誇るホーチミン市で高い市場シェアを有している。

ベトナムでは、一般消費者が販売店でLPガスを購入し、自宅に持ち帰って設置するケースが一般的であるが、LPガスの使用に起因する事故が多いのが現状である。同社では、ベトナムでの事業展開において、日本式の安全に対する考え方や対応を現地に適した方法で普及させることにより、事故の減少と需要の拡大に貢献できるとしている。

 

◆電子材料:東レが5G回路基板用革新PPSフィルムを創出(12月19日)

東レは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)ポリマーが持つ優れた誘電特性と高い熱寸法安定性を両立するPPSフィルムを創出したと発表した。

5Gに必要なFPCを構成する基板材料として使用されている液晶ポリマー(LCP)は、高コストかつ加工性に課題があった。PPSフィルムは、LCPフィルムと同等以上の誘電特性、特に温度や湿度の影響を受けにくい優れた性質を有しているが、高音域ではフィルム自体が変形しやすく、回路基板への加工時のはんだ耐熱性が不足していた。東レはPPSフィルムの結晶構造を制御する技術を開発し、PPSポリマーの優れた特性を維持しつつ、耐熱性を大幅に高めることに成功した。

当開発品を5Gなどに用いられる高速伝送用フレキシブルプリント基板(FPC)に適用することで、通信デバイスの高周波での伝送ロスを低減し、高温・高湿度などの幅広い環境で高速通信を安定させることが期待できる。2軸延伸PPSフィルム「トレリナ」に付与した高い熱寸法安定性とコスト競争力のメリットを活かし、まずは5Gスマートフォンを中心としたFPC市場での採用を進め、さらに車載用途や基地局用途など、幅広い用途に展開を図る。

既にパイロットスケールでの技術確立が完了しており、今後、2020年度中に量産体制を整えるとしている。

 

◆電池材料:セントラル硝子がコバルトやニッケルなどを含まない次世代二次電池開発への取り組みを発表(12月19日)

セントラル硝子は、IBM Researchが発明した、コバルトやニッケルなどのレアメタルを含まない次世代二次電池の早期の実用化を目指すために、IBM Researchと協力して、同開発に取り組み、一定の成果を得られたと発表した。

本電池は、低コストや急速充電特性、高出力、高エネルギー密度といった電気自動車に適した特長を有している。

同社は、これまでリチウムイオン二次電池用電解液の製造方法を確立し、あわせて電池性能を大幅に高める各種添加剤の開発、事業化を行っている。リチウムイオン二次電池用電解液の今後の需要拡大に対応するため、同社グループとして、日本国内、韓国、中国、欧州拠点にて年間50,000t以上の生産能力を有し、グローバル市場での展開を進めている。

今回のIBM Researchとの次世代二次電池開発は、現在のリチウムイオン二次電池電解液事業とともにを推進していく予定としている。

 

◆水処理膜:東レが世界最高レベルの造水性能を有する海水淡水化向け逆浸透(RO)膜を創出(12月18日)

東レは、従来品比で造水量を約1.7倍に高めた世界最高レベルの造水性能を有する海水淡水化向け逆浸透(RO)膜を創出したと発表した。

世界では地球規模の水不足・水質汚濁等の問題が深刻化しつつあり、一日に生産できる造水量の増加が求められている。RO膜には使用エネルギーを抑えつつ、高水質かつ高造水量を得られる技術への期待が高まっているが、従来のRO膜では、造水量を高めると水質が低下してしまうトレードオフの関係があるため新たな技術開発が求められている。

今回、新たに分離機能層を形成する精密界面重合技術を開発し、ひだ状構造の表面積・厚み制御と、細孔の孔径制御を同時に行うことにより、様々な成分を含んだ海水から淡水を選択的かつ効率的な透過を可能とし、水質を維持しつつ造水量を従来の約1.7倍に高めることに成功した。また、本開発品は造水量を増やしても使用エネルギーの増加を抑えることから、海水淡水化プラントの造水コストを低減させることが可能である。

東レは今後、3年以内の製品化を目指して開発を加速するとしている。

 

◆価格改定

・東ソーがポリエチレンを1月21日納入分より値上げ

値上げ幅は、20円/㎏以上

・プライムポリマーがポリエチレン及びポリプロピレンを1月21日納入分より値上げ

値上げ幅は、15円/㎏以上

・日本ポリエチレンがポリエチレンを1月15日納入分より値上げ

値上げ幅は、12円/㎏以上

・日本ポリプロがポリプロピレンを1月15日納入分より値上げ

値上げ幅は、12円/㎏以上

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