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2019年10月17日号

2019.10.17 発行

HEADLINE

 

◆石油化学:BASFがベルギーでエチレンオキシドおよび誘導体の生産を増強(10月9日)

◆冷却液:BASFがプレミアムブランド「Glysantin」で北米のエンジン冷却液市場に参入(10月9日)

◆プラントエンジ:日揮グローバルがモザンビークで大型LNGプラント建設プロジェクトを受注(10月9日)

◆太陽電池:信越化学が太陽電池セル製造に関する特許実施許諾契約を締結(10月9日)

◆建材:TOTOが北京東陶で衛生陶器生産を9月末に終了(10月9日)

◆産学連携:長瀬産業が東北大学との共同研究により開発した撥水性制御技術で事業化を推進(10月7日)

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆石油化学:BASFがベルギーでエチレンオキシドおよび誘導体の生産を増強(10月9日)

BASFは、顧客重視の企業戦略に沿って、ベルギーのアントワープにあるフェアブント拠点(統合生産拠点)でエチレンオキシドおよび誘導体の生産能力を拡大することを発表した。2022年より順次稼働を開始する予定である。

BASFは現在、欧州ではベルギーとドイツで、合わせて年間845,000トンの生産能力を誇るエチレンオキシド工場を操業している。欧州地域で最大のエチレンオキシド誘導体の製造会社である。主要なエチレンオキシドの誘導体は、非イオン性界面活性剤、エタノールアミン、グリコールエーテル類、ポリエーテルポリオール、および、ホームケア・パーソナルケア、産業用途、自動車などの幅広い産業で使用されるその他特殊製品である。

今回の投資により、生産能力は年間約40万トン増加し、投資予定額は5億ユーロを超える。このプロジェクトの一環として、一部のエチレンオキシド誘導体プラントへの追加投資も行われ、エチレンオキシドの増強に合わせて進められる。これらの誘導体には、非イオン型界面活性剤、自動車用グリコールエーテル類および様々な、川下のアルコキシレート製品が含まれるとしている。

 

◆冷却液:BASFがプレミアムブランド「Glysantin」で北米のエンジン冷却液市場に参入(10月9日)

BASFは2020年1月からGlysantin(グリサンチン)ブランドのエンジン冷却液の提供を、北米自動車業界に向けて開始することを発表した。

Glysantin製品は自動車メーカーから最も多くの認証を得ているため、同社は主にOEM工場充填向けの供給に注力している。北米の充填サービスおよびアフターマーケット向けに、北米第一の不凍液・エンジン冷却液供給会社であるOld World Industries社(OWI)と提携する。OWI社はBASFのGlysantin製品をPEAKをはじめとするさまざまなブランドで提供し、その広範な流通ネットワークを活用してディーラーや小売店に供給する。

BASFのシンシナティ工場は、農業用、トランスミッションオイル用、ギア・車軸用潤滑油、航空用潤滑油の各市場向けに、エステルと合成潤滑油を製造している。BASFでは、同社が提供する豊富な技術的専門知識と生産ノウハウは、北米に冷却液の生産拠点を置くことで強化され、原材料や主要顧客へのアクセスが容易になるとしている。

 

◆プラントエンジ:日揮グローバルがモザンビークで大型LNGプラント建設プロジェクトを受注(10月9日)

日揮ホールディングスは、海外EPC事業会社である日揮グローバルが、米フルア社ならびに仏テクニップFMC社と共同で、モザンビーク・ロブマ・ベンチャー社向け大型LNG(液化天然ガス)プラント建設プロジェクトを受注したと発表した。モザンビーク・ロブマ・ベンチャー社は伊ENI、米エクソンモビール、中CNPCで構成される事業会社である。

本プロジェクトは、モザンビーク沖合エリア4鉱区に位置するMambaガス井より供給される天然ガスを用いた、モザンビーク・ロブマ・ベンチャー社によるLNGの生産・販売事業向けに、天然ガス液化設備および周辺設備を建設するものである。

今回受注した役務の範囲は、年産1,500万トン以上(2系列)の天然ガス液化設備、ガス貯蔵設備およびLNG出荷施設に係る設計・調達・建設工事(EPC)であり、生産開始は2025年の予定としている。

 

◆太陽電池:信越化学が太陽電池セル製造に関する特許実施許諾契約を締結(10月9日)

信越化学工業とJA Solar(本社:中国)は、信越化学工業が保有する「Ga(ガリウム)が添加されたシリコン結晶、ウエハー、セルの製造に関する特許」の実施許諾に関する契約を締結したことを発表した。

単結晶シリコンを材料として製造される太陽電池セルを用いた太陽光パネルは、太陽光を受け始めてしばらくの間、性能が低下する光誘起劣化が生じる。

信越化学の「Gaが添加されたシリコン結晶、ウエハー、セルの製造に関する特許」は、この光誘起劣化を低減する最も効果的な方法の一つである。

JA Solarでは、同特許に基づく技術を導入することにより、初年度の太陽光パネルの出力保証率を0.5ポイント改善でき、より優れた発電性能と高い発電量を実現できるとしている。

 

◆建材:TOTOが北京東陶で衛生陶器生産を9月末に終了(10月9日)

TOTOは、中国・北京市内にあるグループ会社である「北京東陶有限公司」社の工場の衛生陶器の生産を2019年9月末に終了したと発表した。

同社工場は1994年に設立され、TOTOグループ最初の中国での衛生陶器生産拠点である。TOTOグループは、その後、東陶機器(北京)有限公司、東陶華東有限公司、東陶(福建)有限公司を設立し、中国国内での衛生陶器の生産能力を着実に強化した。

TOTOは、北京東陶以外の中国国内拠点を中心に、ベトナム・タイなど周辺国の生産拠点も含めたグローバルな供給体制の最適化し、中国市場への衛生陶器の安定供給が十分に行えることを確認したため、北京東陶工場の生産を終了することを決定したとしている。

 

◆産学連携:長瀬産業が東北大学との共同研究により開発した撥水性制御技術で事業化を推進(10月7日)

長瀬産業と東北大学は、リソテックジャパン、SPPテクノロジーズとの共同研究により、世界初となる新技術・超微細加工ナノ構造による撥水性制御を開発し、長瀬産業による事業化の推進が決定したと発表した。長瀬産業独自技術により、量産供給が可能である材料「フェリチン」の供給と、超微細加工ナノ構造による撥水性制御との組み合わせにより、あらゆる材料の撥水性を自在に制御することが可能となった。

本技術は、ガラス、シリコンを代表とするあらゆる材料の表面濡れ性を自在に制御することに成功した世界初の新技術で、自動車用センサーやスマートフォン等のカメラのレンズ部分、各種電子部品、工業用部品などの産業分野でも極めて注目を集めている。特に、自動運転や安全確保用センサー類の市場においては、2020年には2017年比で約1.9倍の1.7兆円になると見込まれており市場の伸びが期待される。

長瀬産業は、同技術の基盤となるバイオテンプレート技術において、独自の構造・塗布処方を持った物質「フェリチン」供給を通じ、事業化を推進するとしている。

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