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2026年1月15日

2026.01.15 発行

HEADLINE

◆CO2分離:東レがCO2とメタン分離用のオールカーボン膜でCO2と水分の同時除去に成功(1月9日)
◆尿素肥料:東洋エンジニアリングがカザフスタンのKazAzot社と脱炭素・尿素肥料分野での協力に関するMOUを締結
 (1月8日) 
◆バイオ:東レが省エネルギー効果を実現する化学物質変換バイオリアクター技術を開発(12月24日)
◆事業統合:住友化学がプライムポリマーへPP、LLDPE事業を統合(12月24日)
◆PFAS代替:三菱ケミカルがPFASフリー耐油紙向け塗工技術を開発(12月23日)
◆工場新設:日東電工が豊橋事業所に新工場を建設、生産能力を大幅増強(12月23日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの1月の契約価格を改定
・住友ベークライトがSUMILON(ピペット、フラスコ、プレート、凍結保存チューブなどのプラスチック製ラボウェア)を
 4月1日受注分より値上げ
・カネカがイースト製品を2月1日出荷分より値上げ
・エアウォーターが産業・医療ガスを1月1出荷分より値上げ
・中国塗料が亜酸化銅系防汚塗料を1月以降値上げ
  
  

WEEKLY NEWS 

◆CO2分離:東レがCO2とメタン分離用のオールカーボン膜でCO2と水分の同時除去に成功(1月9日)
 東レは、CO2とメタン分離用のオールカーボン膜を用いて、大阪府内の下水処理場に設置されたバイオガス製造設備にてCO2と水分の同時除去に成功したことを発表した。
 近年、世界的なエネルギー不足や脱炭素化の流れを背景に、より高効率なCO2分離技術が求められている。既存の膜分離プロセスで使用される高分子膜やゼオライト膜は、耐久性の問題から吸着剤などで事前に水分を除去する工程が必要であり、メタン精製設備の大型化とコストの増大が課題となっていた。
 本技術では、水分を除去する工程を簡素化したコンパクトなバイオガス精製プラントが実現できるとともに、既存の膜分離膜技術を使用した場合と比べて、水分除去コストが約70%削減できる。現在、顧客と連携して、1年間の長期実証を進めている。
 また、本技術はバイオガス以外にも天然ガス精製の効率化や、工場排ガスなどからのCO2分離・回収及びCCUS(CO2の回収・有効利用・貯留を組み合わせた技術)への展開も期待されるとしている。

◆尿素肥料:東洋エンジニアリングがカザフスタンのKazAzot社と脱炭素・尿素肥料分野での協力に関するMOUを締結(1月8日) 
 東洋エンジニアリングは、カザフスタンの化学肥料製造会社であるKazAzotと、脱炭素化および尿素肥料分野での協力を目的とした覚書(MOU)を締結したことを発表した。
 カザフスタンが位置する中央アジアは、豊富な天然資源を有し、近年その地政学的重要性が高まっている。カザフスタンは国の産業が化石燃料に大きく依存しており、脱炭素化が急務となっている一方で、食料の安定供給に向けた肥料の増産にも力を入れており、KazAzotはこの両分野で広く国に貢献する計画を進めている。
 2025年9月に、東洋エンジニアリングの尿素造粒ライセンスが、KazAzotがカザフスタンで建設を計画している尿素肥料プラントに採用され、これを契機に、KazAzotとMOUを締結し協力をさらに深めることとなった。
 同社は、尿素技術のライセンサーとして培ってきた技術力を通じて、カザフスタンの食糧供給安定化に貢献していくとしている。

◆バイオ:東レが省エネルギー効果を実現する化学物質変換バイオリアクター技術を開発(12月24日)
 東レは、従来の高温・高圧を必要とする化学変換に比べて大幅な省エネルギーを実現する、微生物固定型バイオリアクター技術を開発したと発表した。
 本技術は、従来法に比べてエネルギー消費を約80~90%削減できることを東レ試算で確認しており、工場などにおける運用コストの低減と環境負荷の軽減に大きく貢献する。
 本技術は、特定の微生物を木質担体に固定化させ、リアクター内に充填した構造であり、変換させたい化学物質を含む水溶液をリアクターに連続的に接触させることで、微生物の保有する酵素が作用して対象物質を効率的に目的物質へと変換する。変換後の生成物はアクリル酸、プロピオン酸、酢酸などの有機酸であり、活性汚泥処理を組み合わせることで二酸化炭素まで完全分解することが可能である。リアクターは密閉性の高い構造を採用しているため、対象物質が揮発性の場合に特に効果を発揮し、空気拡散によるロス低減と安全性に寄与する。
 今後は社内外の生産現場でさらなる技術検証と運用設計を進め、省エネルギー化に貢献する新たなソリューションとして導入を目指すとしている。

◆事業統合:住友化学がプライムポリマーへPP、LLDPE事業を統合(12月24日)
 住友化学は、三井化学と出光興産の合弁会社であるプライムポリマー(以下、PRM)のポリオレフィン(PO)事業と住友化学の国内のポリプロピレン(PP)およびLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)事業を統合させることに合意し、事業統合契約及び合弁契約を締結したことを発表した。
 国内における合成樹脂需要の約5割を占めるPOは、自動車、電子材料、医療機器などの多岐にわたる用途に使用されている。また、国内POメーカーは統廃合を進めてきたものの、供給過多という課題は解消されておらず、人口減少などにより、国産POの需要は今後更に減少する見込みである。
 本事業統合により、3社協力のもと80億円/年以上の合理化を目標に生産体制等を最適化し、競争力を強化する。さらに、高機能かつ環境配慮型製品の開発力を高めることで、持続可能なグリーンケミカル事業の取組みを加速する。
 本事業統合において、 住友化学とPRMは、両社のPO事業のうち、住友化学については国内のPP事業およびLLDPE事業を、PRMへの事業統合の対象としている。PRMの国内生産能力は、統合前のPP:126万トン/年、PE:55万トン/年から、統合後にはPP:159万トン/年、PE:72万トン/年になる予定としている。

◆PFAS代替:三菱ケミカルがPFASフリー耐油紙向け塗工技術を開発(12月23日)
 三菱ケミカルは、食品包装材等に使われる樹脂「ソアノール」の溶液を紙基材に塗工し、ガスバリア性と耐油性を付与する技術を開発したと発表した。
 ソアノールは、同社独自技術によって開発された高いガスバリア性・耐油性・透明性を持つエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)であり、その他の樹脂と溶融させて熱成形することでフィルムやシート等の食品包装材として用いられてきた。
 今回、同社が開発した技術は紙基材にソアノール溶液とアンカーコート剤を併用して塗工することで安定したバリア層を形成し、ソアノールの優れたガスバリア性や耐油性を付与することができる。
 紙包装材の耐油性を高めるためにはPFASを用いることが一般的であるが、同技術では、高温や屈曲時でも、PFASを用いた包装材を上回る耐油性を発現する。同品は、食品に直接接触できる高い衛生性を有するため、フライドチキンやハンバーガー等の食品包装用途への展開を見込んでいる。各国のPFAS規制強化が進むなか、PFASを使用しない耐油紙への需要増加が見込まれることから、同社は顧客評価を進め、2026年度中の採用を目指すとしている。

◆工場新設:日東電工が豊橋事業所に新工場を建設、生産能力を大幅増強(12月23日)
 日東電工は、次世代ハイエンドデバイス市場の需要拡大に対応するため、豊橋事業所(愛知県)に同社最大規模となる総額約390億円を投資し、新工場を建設することを発表した。
 竣工は2028年1月を予定しており、更なる事業拡大に向けて、生産能力の大幅な増強を図る。
 同社グループは、ハイエンドスマートフォン向け光学フィルムや回路材料など、ハイエンドデバイス用の部材を多数提供している。今回、欧州のバッテリー規則法令化対応のためのスマートフォンの修理を簡単にする電気剥離テープのニーズの高まりや、次世代ハイエンドデバイスで注目されている有機EL(OLED)を採用したフォルダブル(折り畳み)製品の増加による光学用透明粘着シートや部品固定用テープの需要増加が見込まれていることから、新工場建設を決定した。
 新工場では、DXや高度自動化設備を導入して生産効率と安全性を高めるほか、無溶剤塗工機などの環境配慮型設備を採用し、従来比でCO2排出量を11%削減するとしている。

◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの1月の契約価格を改定
 1月契約価格は、675$/t(前月比±0$/t)
 国内価格換算想定値は111.3円/kg
・住友ベークライトがSUMILON(ピペット、フラスコ、プレート、凍結保存チューブなどのプラスチック製ラボウェア)を4月1日受注分より値上げ
 値上げ幅は、約10%
・カネカがイースト製品を2月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、30円/kg(500g当たり15円)
・エアウォーターが産業・医療ガスを1月1出荷分より値上げ
 対象製品は、エアセパレートガス(酸素、窒素、アルゴン、溶接用シールドガス)、炭酸ガス、レアガス、水素ガス、ダイサイド等
 値上げ幅は、10%以上
・中国塗料が亜酸化銅系防汚塗料を1月以降値上げ
 値上げ幅は、20~30%程度

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