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2025年5月29日

2025.05.29 発行

HEADLINE

◆放熱材料:バンドー化学が放熱グリース「HEATEX TG900シリーズ」の販売を開始(5月23日)
◆研究開発:UBEが大阪研究開発センター新棟「スペシャリティマテリアルアプリケーション棟」の運用を開始(5月23日)
◆建材:デンカがポリエチレン製排水管「トヨドレン」の新工場の稼働を発表(5月23日)
◆リサイクル:王子ホールディングスが王子製紙の米子工場内に建設した木質由来糖液・エタノールのパイロットプラントの
 立ち上げを発表(5月21日)
◆リサイクル:豊田合成が廃車由来プラスチックの水平リサイクル技術を実用化(5月20日)
◆リサイクル:日揮HDがインドネシアにおける廃プラスチックの油化ケミカルリサイクル実現に向けた事業化検討契約を締結
 (5月20日)
◆電子材料:日本製紙がハンガリーでLiB用CMC新工場の竣工式を実施(5月19日)
◆電子材料:ノリタケが高熱伝導のダイヤモンド-ニッケル放熱基板を開発(5月19日)
◆フィルター:東洋紡がバイオ医薬品精製プロセスの生産性向上に貢献するウイルス除去膜を新開発(5月19日)
◆電子材料:出光興産が青色有機EL素子における高効率・長寿命化技術を発表(5月19日)
◆価格改定
・日本製紙がコート白ボール、特殊板紙を8月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上
   
  

WEEKLY NEWS

◆放熱材料:バンドー化学が放熱グリース「HEATEX TG900シリーズ」の販売を開始(5月23日)
 バンドー化学は、放熱グリース「HEATEX® TG900シリーズ」の販売を開始したと発表した。
 電子機器等で用いられる放熱材には、用途に応じていくつかの形態があり、同社ではシート状の高熱伝導シートを開発・販売しているが、今回グリース状の放熱材「HEATEX TG900シリーズ」を新たにラインアップに加えた。
 同品は、グリース状のため、シート状のものと比べ被着体への追従性が高く、シリコンフリーであり、ディスペンサーを用いた薄膜塗布対応、耐ポンプアウト仕様など幅広いニーズに応えられるとしている。

◆研究開発:UBEが大阪研究開発センター新棟「スペシャリティマテリアルアプリケーション棟」の運用を開始(5月23日)
 UBEは、堺工場内の大阪研究開発センターに「スペシャリティマテリアルアプリケーション棟」を新設し、開所式を行うとともに運用を開始したことを発表した。
 同施設は、ナイロンおよびその他エンジニアリングプラスチックを中心としたコンポジットのイノベーションを生み出し、グローバルに発信する中核拠点である。
 同社は、長年にわたりコンポジット事業の開発拠点を山口県宇部市の宇部ケミカル工場内に置いてきたが、大阪研究開発センターへの機能集約により、海外を含めた顧客や営業拠点とのアクセスを強化し、情報収集や開発速度をさらに加速させ、時代に合った製品開発を速やかに実現していくとしている。

◆建材:デンカがポリエチレン製排水管「トヨドレン」の新工場の稼働を発表(5月23日)
 デンカとグループ会社の九州プラスチック工業(熊本県)は、ポリエチレン製排水管「トヨドレン」の製造設備の移設と新設増強を行うため、玉名市三ツ川産業団地内に新工場を建設し、竣工したことを発表した。
 ポリエチレン製排水管は、各種インフラ整備における地下水の集排水用資材として用途が拡大している。今後も水田の生産性向上のための大区画化や汎用化整備、高速道路の4車線化や国土強靭化工事による災害復興、防災・減災・治水対策など社会資本整備に貢献する製品として需要が見込まれている。
 今回の新工場の建設により、同工場の生産能力は約 6 割、在庫能力は約 8 割の増強となり、供給体制の更なる安定化に繋げていくとしている。

◆リサイクル:王子ホールディングスが王子製紙の米子工場内に建設した木質由来糖液・エタノールのパイロットプラントの立ち上げを発表(5月21日)
 王子ホールディングスが、王子製紙の米子工場内に建設した木質由来糖液・エタノールのパイロットプラントを立ち上げ、竣工式を実施したことを発表した。
 同社は、持続可能な社会の実現に向け、化石資源を原料とした既存のプラスチックや燃料などの製造プロセスを、バイオマスベースに置き換えるべく、「木質由来の新素材」の開発に取り組んでいる。なかでも、バイオものづくりの基幹原料として、多用途への展開が想定される「木質由来糖液」、持続可能な航空燃料(SAF)や化学業界における基礎化学品製造に利用可能な「木質由来エタノール」は今後の需要拡大が期待されている。
 同パイロットプラントの規模は日本最大級で、年間3,000トンの「木質由来糖液」、年間1,000KLの「木質由来エタノール」の生産能力がある。同プラントで実証実験を行い、2030年度の事業化を目指すとしている。

◆リサイクル:豊田合成が廃車由来プラスチックの水平リサイクル技術を実用化(5月20日)
 豊田合成は、欧州での環境規制の強化などを背景とする自動車業界での再生プラスチックの需要拡大に対応し、廃車から高品質なプラスチックを再生する新技術を開発したことを発表した。
 従来、自動車の廃プラスチックの再生は、不純物の混入等により新材と同等の性能を得るのが難しいため、焼却して熱を回収(サーマルリサイクル)するか、必要な性能の低い用途に再利用(ダウンサイクル)することが一般的であった。
 今回、いその株式会社と協業し「品質の良いリサイクル原料を確保」すると共に、「当社独自の材料改質技術を活用」することで、廃車から回収したプラスチック(ポリプロピレン)を50%含有しても新材と同等の性能を持つ再生プラを開発、自動車部品の品質基準で実用化した。なお、廃車由来プラスチックを50%配合した再生プラを、耐衝撃性が必要な内装部品(グラブボックスなど)で実用化するのは世界初となる。
 同社は今後も車の意匠に関わる部位など適用製品の拡大を目指し、再生プラの改良を進めていくとしている。

◆リサイクル:日揮HDがインドネシアにおける廃プラスチックの油化ケミカルリサイクル実現に向けた事業化検討契約を締結(5月20日)
 日揮ホールディングスは、丸紅インドネシアが計画する「廃プラスチックを原料とした油化ケミカルリサイクル事業の実現に向けた油化プロセスの事業化検討」に係る業務委託契約を締結したことを発表した。
 インドネシアでは、人口増加と都市化により増加した廃プラスチックの多くが不適切に処理されているため、同国政府は製造業(食品や消費材など)、飲食業および小売業を対象に「2029年までの減量、再使用、再利用を通じた30%の廃棄物削減」を義務付けるなど、廃プラスチック排出削減に向けた政策を推進している。
 本検討では、丸紅インドネシアと連携する現地の企業が運営する都市ごみを対象とした廃棄物選別施設から、従来型リサイクルが困難な複合プラスチックを抽出し、日揮グループが保有する油化プロセスライセンスを活用した廃プラスチック油化ケミカルリサイクルの事業化検討を実施する。
 日揮HDは、丸紅インドネシアと協力して2025年末頃を目途に事業性評価を進める。併せて、同社のベンチ試験設備を用いて、原料に想定する廃プラスチックの油化実証試験の実施検討を行うとしている。

◆電子材料:日本製紙がハンガリーでLiB用CMC新工場の竣工式を実施(5月19日)
 日本製紙は、欧州で市場拡大する電気自動車(EV)の車載用リチウムイオンバッテリー(以下LiB)の負極材料の一つとして用いられるCMC(カルボキシ・メチル化セルロース:商品名SUNROSE MAC)の供給体制を強化するため、ハンガリーの製造販売子会社(Nippon Paper Chemicals Europe社)の新工場の設備が完成し、竣工式を行ったことを発表した。
 EV車載用のLiB市場は、脱炭素社会を目指したCO2排出規制が進む欧州で需要が拡大しており、欧州の自動車産業は域内でのEVのサプライチェーン構築を目指し、相次いで拠点を構えている。同社はグローバルに展開するLiBメーカー・自動車メーカーに対し、ハンガリーの新拠点から高性能なLiB用CMCを供給する体制を構築し、脱炭素社会の実現に向けて貢献するとしている。

◆電子材料:ノリタケが高熱伝導のダイヤモンド-ニッケル放熱基板を開発(5月19日)
 ノリタケは、高速通信(5G、6G)向け半導体用に、効率的に熱を逃がす高熱伝導率のダイヤモンド-ニッケル放熱基板の開発を進めており、今回、熱伝導率1200 W/(m・K)を達成したことを発表した。
 現在、5Gなどの高速通信の普及が進んでおり、これに伴い、基地局やデータセンターなどでは、大量のデータを伝送する次世代半導体を用いた通信デバイスの使用が拡大している。通信の高速・大容量化に伴い、発熱量が増加しているが、熱を速やかに逃がすことが可能な高熱伝導率の放熱基板が要求されている。
 また、半導体に実装される放熱基板の製造では、基板サイズを大きくすることで生産性が向上し、製造単価を抑えることができるが、熱伝導率が高いダイヤモンドを大きな基板サイズにするには多大な製造コストと長い時間を要する。
 今回、ノリタケは、ダイヤモンドをニッケルで高密度に結合し、ニッケルに熱が通る際の抵抗を最小限に抑えることで、高水準の熱伝導率でありながら、大きな基板サイズ(100×100mm)を両立した放熱基板の製造に成功したとしている。

◆フィルター:東洋紡がバイオ医薬品精製プロセスの生産性向上に貢献するウイルス除去膜を新開発(5月19日)
 東洋紡は、大塚化学とのアライアンス契約に基づく取り組みの成果として、バイオ医薬品の製造工程における精製プロセス向けウイルス除去膜を新たに共同開発したことを発表した。
 バイオ医薬品とは、遺伝子組み換え技術や細胞培養技術などを応用して製造される医薬品である。生物由来の原料から製造されるバイオ医薬品は製造工程でのウイルスの除去や不活化が義務付けられており、ウイルス除去膜と呼ばれる分離膜を利用するのが一般的である。
 今回、新たに共同開発されたのは、バイオ医薬品の製造工程における精製プロセス向けの中空型ウイルス除去膜である。東洋紡独自の製膜技術と大塚化学のポリマー技術によりウイルス除去膜の目詰まりを抑制することで、従来品と比べて単位時間当たりの医薬原液の透過量を約2倍に増加。ウイルス除去工程での処理時間を3分の1以下に短縮することができる。本年4月末より、医薬品メーカーや研究機関等に向けてサンプル提供を開始した。
 本ウイルス除去膜は、顧客の要求仕様に合わせて孔径や処理液量、耐久性などを調整することができるため、抗体医薬品や遺伝子治療薬などさまざまなバイオ医薬品の製造プロセスへの適用が可能としている。

◆電子材料:出光興産が青色有機EL素子における高効率・長寿命化技術を発表(5月19日)
 出光興産は、蛍光型青色材料を用いた有機EL素子において、積層型発光層素子の詳細解析を実施し、世界最高レベルの発光効率および長寿命化を達成したと発表した。
 積層型発光層素子とは、蛍光型素子の発光過程のうち、電荷再結合とTFF(三重項-三重項融合)を起こす領域を分離させた素子である。機能を分離することで発光ロスを抑え、発光効率の向上と長寿命化の両立が可能となる。
 有機ELディスプレイを構成する赤色、緑色、青色の画素に用いられる発光素子のうち、青色発光素子は唯一の蛍光型素子であり、発光効率と長寿命化に課題がある。出光興産は積層型発光層の独自の機能分離発光に着目し、そのメカニズムの詳細解析を行った。その結果、各層に最適な材料設計をすることで、現在実用化されているトップエミッションデバイスにおいて、さらなる発光効率の向上と長寿命化を達成した。
 本技術は、有機ELディスプレイの省電力化と製品の長寿命化による環境負荷の低減に寄与するとしている。

◆価格改定
・日本製紙がコート白ボール、特殊板紙を8月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上

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