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2025年1月30日

2025.01.30 発行

HEADLINE

◆ガラス:ノリタケが300~350℃でアルミニウムと接合可能なリン非含有の新ガラス材の試作に成功(1月24日)
◆ガラス:日本板硝子がドイツの自動車用ガラス生産体制見直しを発表(1月24日)
◆電子材料:セントラル硝子が韓国で半導体向け特殊ガス製造の合弁会社を設立(1月23日)
◆フィルム:東レが那須工場におけるポリプロピレンフィルムの生産設備増設への投資を決定(1月23日)
◆樹脂関連:東レが中国華南地区で高機能樹脂コンパウンド生産拠点を新設(1月23日)
◆電子材料:エア・ウォーター・パフォーマンスケミカルが半導体・電池材料開発の中核拠点となる新研究棟を開所
 (1月23日)
◆樹脂:東レがナノアロイ技術の深化により超高制振ナイロン樹脂を創出(1月22日)
◆バイオマス:台湾三井化学が南亞塑膠工業とプラスチックのバイオマス化を実現する製品の市場展開に向けた取り組み開始を
 発表(1月27日)
◆価格改定
・東ソーがポリ塩化アルミニウム(PAC)を2月21日出荷分より値上げ
・バンドー化学が、伝動ベルト、プーリ/金属製品、その他ゴム製品等、搬送用樹脂ベルト、コンベヤベルトを4月1日受注分
 より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆ガラス:ノリタケが300~350℃でアルミニウムと接合可能なリン非含有の新ガラス材の試作に成功(1月24日)
 ノリタケは、2023年より新材料の開発を目的にMI (マテリアルズ・インフォマティクス) を活用しており、その成果としてアルミニウムと低温で接合が可能なリン非含有の新ガラス材の試作に成功したと発表した。
 自動車のEV化や電装化が進む中、車載向けの半導体では高耐圧・大電流に対応できるパワー半導体の採用の増加が見込まれている。また、車載の軽量化も求められているため周辺部品では重量が軽いアルミニウムの利用拡大が見込まれている。
 アルミニウムの接合材では有機材料 (樹脂) が使われるが、次世代パワー半導体の周辺部材などは使用環境が高温になり、一般的な樹脂材料 (耐熱温度約200℃) では劣化しやすく、熱に強い無機材料 (ガラスなど) での接合が期待される。
 新ガラス材料は300~350℃での接合が可能であり、次世代パワー半導体の周辺などの最高約300℃になる使用環境に耐えられるため、アルミニウムへの使用が可能である。また、低温接合と高耐水性を両立しており、組成を最適化することで通常の大気環境でも使用が可能である。また、リン非含有のため製造過程や使用中に半導体の性能を妨げないといった特徴を持つとしている。

◆ガラス:日本板硝子がドイツの自動車用ガラス生産体制見直しを発表(1月24日)
 日本板硝子は、同社グループのドイツ法人であるPilkington Automotive Deutschland社のヴィッテン工場(ドイツ)で自動車用ガラス生産体制を見直すことを決定した。
 今回の決定は、直近のドイツを含む欧州地域における自動車用ガラス市場の需要が弱い一方で、コスト上昇が継続している状況を勘案したものであり、生産体制の適正化による収益性の改善を目指すものである。同社としては、中長期的には自動車生産台数の緩やかな改善に伴う需要回復を見込んでいる。
 今回の生産体制見直しに伴い、同工場において約80名の人員を削減する予定としている。

◆電子材料:セントラル硝子が韓国で半導体向け特殊ガス製造の合弁会社を設立(1月23日)
 セントラル硝子は、半導体向け特殊ガスの製造販売も手掛ける韓国の化学メーカーFoosungとの間で、半導体向け特殊ガスの製造・販売を目的とした合弁会社設立に関する契約を締結し、2025年3月(予定)に設立することを発表した。
 昨今の半導体サプライチェーンのローカライゼーション(生産の現地化)の要請に対応するため、同社は半導体主要生産国の一つである韓国に新たに製造合弁会社を設立し、韓国のユーザーに、迅速かつ安定的な半導体向け特殊ガスの供給体制を構築する。
 半導体向け特殊ガスの開発力および高い製造技術を持つ同社と、フッ素原料を自社で保有し、コスト競争力と高いプレゼンスを有するFoosungとのシナジーにより、韓国半導体業界のさらなる成長に貢献するとしている。

◆フィルム:東レが那須工場におけるポリプロピレンフィルムの生産設備増設への投資を決定(1月23日)
 東レは、那須工場におけるポリプロピレンフィルム「トレファン」の生産設備増設への投資を発表した。
 同社は、経済安全保障推進法に基づく供給確保計画について、経済産業省から先端電子部品の部素材であるxEV(車載)向けフィルムコンデンサ用二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルム「トレファン」の生産設備の増設計画の承認を受けた。同計画の承認により、最大約30億円の助成等を受けることができ、新拠点となる那須工場に新規生産設備導入のための投資を行うことを決定した。
 新たに増設する生産設備は2027年3月からの供給開始を予定しており、今回の増設で車載コンデンサ用フィルムの生産能力は、土浦工場で進めている増強分(2025年稼働開始予定)も含めた時点から約34%拡大する計画としている。

◆樹脂関連:東レが中国華南地区で高機能樹脂コンパウンド生産拠点を新設(1月23日)
 東レは、中国における樹脂事業統括会社である東麗塑料において、耐熱性や耐薬品性、機械強度などに優れ、自動車の電装部品や電気・電子用コネクターなどに使われる高機能樹脂のコンパウンド生産拠点の新設を決定したことを発表した。
 中国経済は、足元では回復ペースが鈍化しているものの、引き続き年率約5%の成長が見込まれている。中でも自動車市場は、世界最大の市場であり、さらなる成長が見込まれている。特に、近年の環境規制強化によるNEV(環境対応車)の拡大により、高機能材料のニーズが高まることが予想される。
 今回の生産拠点新設は、その動きに対応して、高機能樹脂の安定供給力を強化することを目的としており、現地生産子会社の東麗樹脂科に、コンパウンド設備を導入し、2025年4月からの稼働を目指す。なお、今回の新設に伴い、既存の樹脂コンパウンド拠点である東麗塑料(深セン)からの一部生産移管を予定している。
 東レは、伸長するNEV用途を中心に、先端通信を含む電気・電子用途、ソーラー発電用途など、今後拡大が期待される中国華南地区での高機能樹脂の需要拡大をいち早く取り込み、中国での一層の事業拡大を目指すとしている。

◆電子材料:エア・ウォーター・パフォーマンスケミカルが半導体・電池材料開発の中核拠点となる新研究棟を開所(1月23日)
 エア・ウォーター・パフォーマンスケミカルは、湘南工場内に建設を進めていた半導体・電池・機能材料開発の中核拠点となる新研究棟「湘南イノベーションラボ」が完成し、開所したことを発表した。
 同社は2021年に前身である同社電材開発事業部、半導体材料等の機能化学品を製造する川崎化成工業・大東化学を統合して発足、2023年には電池電極に用いる機能材料を有するエア・ウォーター・ベルパールが合流し、半導体・電池材料等の機能化学品を製造する同社グループの中核企業となった。
 今回の新研究棟開所により、半導体・電池材料に関わる技術者を集約することで各社が保有していた知見・技術のシナジーを最大化し、半導体パッケージに用いられるポリイミド用特殊酸二無水物や特殊熱硬化性樹脂、二次電池用高性能電解液添加剤など新製品開発を加速する。開発・生産技術・品質保証・品質管理の一貫体制を構築することで、生産技術の向上や評価・分析の高度化を進めながらスピード感ある効率的な開発を行っていくとしている。

◆樹脂:東レがナノアロイ技術の深化により超高制振ナイロン樹脂を創出(1月22日)
 東レは、ナイロン樹脂が有する高温剛性や成形加工性を維持しながら、汎用制振材(ブチルゴム)比4倍の制振性を有する超高制振ナイロン樹脂を開発したことを発表した。
 EV化の進展に伴いエンジンノイズは減少する一方、路面から発生する低周波のロードノイズを抑制するニーズや、車外騒音規制の強化が予想されている。一般的な熱可塑性樹脂は制振性が低く、騒音を抑制するにはゴム系の制振材料(ブチルゴム)がこれまで用いられきたが、熱可塑性を有さないため複雑形状部品や賦形などの二次加工には不向きという課題があった。また、自動車部品や電気電子部品などへの適用に必要な高温(~120℃)時の硬さ・剛性に課題があり、使用部位が限られていた。
 今回、高温剛性や成形加工性に優れるナイロン樹脂と制振性に優れる他樹脂とのポリマーアロイにより、制振性と成形加工性、高温剛性全てに優れたナイロン樹脂を実現した。
 EVや自動運転での車内快適空間を生み出す新素材として、様々な部材へ適用を見据えた顧客へのサンプル提供を開始しており、2026年度の現有設備での本格生産化を目指すとしている。

◆バイオマス:台湾三井化学が南亞塑膠工業とプラスチックのバイオマス化を実現する製品の市場展開に向けた取り組み開始を発表(1月27日)
 三井化学の100%子会社である台灣三井化学は、南亞塑膠工業と三井化学製のバイオマスアセトンを調達し、台湾でバイオマスビスフェノールA(以下、バイオマスBPA)を製造、プラスチックのバイオマス化を実現する製品の市場展開に向けた取り組みを開始すると発表した。
 台湾三井化学は、2024年にISCC PLUS認証を取得し、同認証に基づいたマスバランス方式を用いて、台湾市場への原材料供給を2025年1月より開始している。また、台湾を代表する材料メーカーである南亞塑膠工業も2024年にISCC PLUS認証を取得しており、台湾三井化学からバイオマス原料を調達のうえ、同認証に基づいたマスバランス方式を用いてバイオマスBPAを製造し、それを用いたバイオマス樹脂(エポキシやポリカーボネート)の開発を開始する。
 バイオマスアセトン、バイオマスBPAおよびバイオマス樹脂は、従来の石油由来の化学品・樹脂と比べていずれも物性が同等であり、従来品から容易に切り替えることができるため、製品ライフサイクル全体におけるGHG排出量の削減が可能としている。

◆価格改定
・東ソーがポリ塩化アルミニウム(PAC)を2月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、ローリー納入品:12円/kg以上
 キューブインボックス品:15円/kg以上
・バンドー化学が、伝動ベルト、プーリ/金属製品、その他ゴム製品等、搬送用樹脂ベルト、コンベヤベルトを4月1日受注分
 より値上げ
 値上げ幅は、10%以上

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