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1993年1月から発行している「KOHKEN REALTY MONTHLY REPORT分譲マンション編(現:KOHKEN MONTHLY NET)」「KOHKEN REALTY MONTHLY REPORT建売住宅編」より、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県南部)で新規供給された分譲マンション市場および建売住宅市場の概況を公開しています。(毎月更新)

 

※「KOHKEN REALTY MONTHLY REPORT分譲マンション編(現:KOHKEN MONTHLY NET)」「KOHKEN REALTY MONTHLY REPORT建売住宅編」の調査概要等につきましては、こちら

首都圏分譲マンション市場動向

【2024年5月の分譲マンション市況】

全体概要
5月の供給は140物件2,392戸。新規物件大幅減も、大規模物件のまとまった期分け販売で4か月ぶり増。
一方、契約率は11か月ぶりの70%以下。23区は7か月ぶりの70%以下で55%に留まる。

2024年5月(当月)の首都圏新築分譲マンションにおける供給戸数は2,392戸で、前年同月(2,094戸)に比べ+14.2%の大幅な増加。4か月ぶりに前年同月を上回った。東京23区(780戸/+8.9%)、都下(200戸/+31.6%)、神奈川県(701戸/+62.3%)で大幅に増加。茨城県(236戸)でもまとまった供給があった。一方で、埼玉県(218戸/▲44.1%)、千葉県(257戸/▲36.4%)では大幅に減少した。

平均契約率は67.1%で、11か月ぶりに70%を下回った。前年同月(76.5%)比では▲9.4ポイント低下した。エリア別では、神奈川県(71.8%/▲6.4pt)、千葉県(74.3%/▲12.8pt)で70%を超えた。一方で、東京23区(55.0%/▲19.2pt)、都下(63.0%/▲2.1pt)、埼玉県(54.6%/▲17.7pt)では70%を下回った。

平均価格は7,080万円で、前年同月(6,205万円)に比べ+14.1%の大幅な上昇。3か月ぶりに前年同月を上回った。エリア別では、東京23区(10,056万円/+31.2%)、都下(5,997万円/+23.6%)で大幅な上昇。埼玉県(5,345万円/+8.3%)、千葉県(5,202万円/+8.2%)でも上昇した。一方で、神奈川県(6,027万円/▲10.2%)では大幅に低下した。

平均面積は66.82㎡で、前年同月(64.02㎡)に比べ+4.4%の拡大。エリア別では、東京23区(63.35㎡/+10.3%)、都下(62.91㎡/+3.2%)、千葉県(70.40㎡/+4.3%)で拡大。一方で、神奈川県(69.21㎡/▲5.1%)、埼玉県(62.94㎡/▲1.3%)では縮小した。

平均坪単価は@350.3万円/坪。前年同月(@320.4万円/坪)に比べ+9.3%の上昇。平均価格同様、3か月ぶりに前年同月を上回った。エリア別では、東京23区(@524.8万円/坪/+19.0%)、都下(@315.2万円/坪/+19.8%)で大幅な上昇。千葉県(@244.3万円/坪/+3.7%)、埼玉県(@280.7万円/坪/+9.7%)でも上昇した。一方で、神奈川県(@287.8万円/坪/▲5.4%)では低下した。

<消費者態度指数>
当月の内閣府発表の関東の消費者態度指数(37.5ポイント)は、前月(39.2ポイント)から低下(▲1.7ポイント)。2か月連続で低下している。内閣府は製品や宿泊サービスの値上げが進み、物価が今後上昇するという見方が広がっていることなどが背景にあるとみている。さらに、当月の「耐久消費財の買い時判断」(29.3ポイント)も、前月(31.8ポイント)から低下(▲2.5ポイント)。2か月連続で低下している。「耐久消費財の買い時判断」に加え、指数を構成するほかの3項目(暮らし向き/収入の増え方/雇用環境)も低下。2か月連続で全指標が同時にマイナスとなった。そのため、内閣府は、前月まで4か月連続で「改善している」としてきた消費者マインドの基調判断を「改善に足踏みがみられる」に下方修正した。
<日経平均株価>
当月の日経平均株価(38,487円/最終取引日終値)は、前月(38,405円/同)から上昇。2か月ぶりに上昇した。
当月は38,500円前後で足踏み状態が続いた。月間の高値と安値の差は1,049円に留まり、2023年2月以来のレンジの狭さであった。
3月期の日本企業の決算発表で保守的な業績予想が相次ぎ、日本株に上昇圧力は掛からなかった。当月下旬には、米・半導体大手のエヌビディアが好決算を発表。日本のハイテク株の買い材料となり、23日の日経平均は一時39,103円と4月15日以来の高値を付けたが、日本株全体の押し上げ効果はなかった。30日には、国内の長期金利が一時1.1%と約13年ぶりの水準を記録。米国の利下げ期待後退もあって、日本のハイテク株が売られる展開となり、38,054円(終値ベース)と約1か月ぶりの安値まで下げた。


<供給戸数>
当月の供給戸数(2,392戸)は、前年同月を14%程(約300戸)上回った。当月の新規発売戸数(509戸)は当年最低の水準であったが、販売100戸超の継続物件が3物件・513戸あるなど、継続物件(118物件・1,883戸)の供給が活発で全体を押し上げた。
エリア別では、青葉台エリアで大規模継続物件のまとまった供給があり、新規発売戸数(197戸)も前年同月(159戸)を上回った「神奈川県」(+62.3%)の増加分が全体に寄与した。横浜市(+60.9%)、川崎市(+100.0%)、神奈川県その他(+50.5%)の3エリアとも大きく増加した。「都下」(+31.6%)では昭島・聖蹟桜ヶ丘・ひばりが丘エリアで販売20戸超の継続物件が発売。「茨城県」でもつくばエリアで継続物件のまとまった供給があったことで、全体を引き上げた。他方、「埼玉県」(▲44.1%)、「千葉県」(▲36.4%)では新規発売が乏しく、大幅に減少した。
「神奈川県」はほぼ横ばいながら、6か月連続で前年同月を上回っている。「東京23区」は3か月ぶり、「都下」が2か月ぶりに前年同月を上回った。一方で、「埼玉県」は13か月連続の前年同月比減。「千葉県」は2か月連続で前年同月を下回っている。
なお、当月の供給戸数は2021年5月(2,740戸)比▲12.7%、2022年5月(3,304戸)比▲27.6%。2021年・2022年の同月と比較すると減少している。
<平均契約率>
当月の平均契約率(67.1%)は、供給が盛んだったものの、継続販売(65.2%)が低調で全体に影響した。エリア別では、「東京23区」(55.0%)、「都下」(63.0%)、「埼玉県」(54.6%)は70%を大きく下回った。前年同月比では「東京23区」(▲19.2pt)など、全エリアで低下。売れ行き鈍化が目立っている。
「東京23区」は7か月ぶりに70%を下回った。「都下」は4か月連続、「埼玉県」は2か月連続で70%を下回っている。一方、「神奈川県」と「千葉県」は9か月連続で70%を上回っている。
<平均価格/平均坪単価>
当月の平均価格(7,080万円)と平均坪単価(@350.3万円/坪)は、前年同月から大幅に上昇。当月は@900万円/坪弱の継続タワー2物件(グランドシティタワー月島/グランドシティタワー池袋)を含む5物件・117戸(全体の供給戸数の4.9%)が@800万円超/坪であった。一方で、前年同月は@800万円超/坪が0.6%(12戸)。当月は郊外部が供給の主体(67.4%)であったものの、@800万円超/坪の供給が多かったことが、価格・坪単価の上昇要因。エリア別でも、神奈川県(▲5.4%)以外は坪単価が上昇し、全体の上昇に寄与した。なお、当月の価格の水準の高い東京23区の供給シェアは32.6%と、前年同月の34.2%と大きな変化はなかった。
エリア別の坪単価は、「千葉県」(+3.7%)は16か月連続で前年同月比での上昇が継続。「都下」(+19.8%)は2か月連続で上昇している。「東京23区」(+19.0%)と「埼玉県」(+9.7%)は3か月ぶりに上昇した。一方、「神奈川県」(▲5.4%)は9か月ぶりに低下した。
<平均面積>
当月の平均面積(66.82㎡)は、前年同月から拡大。当月は平均面積50㎡以下のコンパクト物件の供給が少なかった。コンパクト物件の供給比率は全体の7.2%(172戸)と、前年同月の15.6%(327戸)から大きく低下したことで平均面積が拡大した。

<6月の供給見込み>
2024年6月は、約2,000戸の供給見込み。

 

【2024年平均概要推移】
■月別供給戸数の推移

地 域 東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 茨城県 首都圏計
1月 供給戸数 860戸 434戸 110戸 354戸 -戸 1,758戸
市場シェア 48.9% 24.7% 6.3% 20.1% -% 100.0%
2月 供給戸数 1,022戸 698戸 106戸 195戸 25戸 2,046戸
市場シェア 50.0% 34.1% 5.2% 9.5% 1.2% 100.0%
3月 供給戸数 1,111戸 687戸 232戸 540戸 251戸 2,821戸
市場シェア 39.4% 24.4% 8.2% 19.1% 8.9% 100.0%
4月 供給戸数 797戸 535戸 222戸 256戸 -戸 1,810戸
市場シェア 44.0% 29.6% 12.3% 14.1% -% 100.0%
5月 供給戸数 980戸 701戸 218戸 257戸 236戸 2,392戸
市場シェア 41.0% 29.3% 9.1% 10.7% 9.9% 100.0%
6月 供給戸数 -戸 -戸 -戸 -戸 ‐戸 -戸
市場シェア -% -% -% -% ‐% -%
7月 供給戸数 -戸 -戸 -戸 -戸 ‐戸 -戸
市場シェア -% -% -% -% ‐% -%
8月 供給戸数 -戸 -戸 -戸 -戸 -戸 -戸
市場シェア -% -% -% -% -% -%
9月 供給戸数 -戸 -戸 -戸 -戸 ‐戸 -戸
市場シェア -% -% -% -% ‐% -%
10月 供給戸数 -戸 -戸 -戸 -戸 -戸 -戸
市場シェア -% -% -% -% -% -%
11月 供給戸数 -戸 -戸 -戸 -戸 -戸 -戸
市場シェア -% -% -% -% -% -%
12月 供給戸数 -戸 -戸 -戸 -戸 ‐戸 -戸
市場シェア % % % % % %
累 計 供給戸数 4,770戸 3,055戸 888戸 1,602戸 512戸 10,827戸
市場シェア 44.1% 28.2% 8.2% 14.8% 4.7% 100.0%

 

■平均商品水準の推移

物件数
(件)
供給戸数
(戸)
発売当月契約率(%) 平均価格
(万円)
平均面積
(㎡)
平均坪単価
(万円/坪)
1月 105 1,758 80.6 8,148 68.45 393.5
2月 138 2,046 76.7 6,664 65.15 338.1
3月 148 2,821 81.5 7,585 67.40 372.1
4月 131 1,810 73.6 7,203 63.03 377.8
5月 140 2,392 67.1 7,080 66.82 350.3
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月

※平均値→中間値掲載物件は中間値×戸数で販売総額換算

 

※2024年分譲マンション市場の月別データはこちら

※2023年以前のデータはこちら

 

首都圏建売住宅市場動向

【2024年4月の建売住宅市況】

供給状況

2024年4月に供給された建売住宅は104物件698棟。
前月3月(77物件524棟)に対して物件数は+35.1%、棟数は+33.2%の大きな増加となっている。
前年同月(2023年4月、93物件664棟)と比較しても、棟数は+34棟、+5.1%の増加。

 

都県別では、東京都が277棟、神奈川県が90棟、埼玉県が191棟、千葉県が140棟。
前年同月と比較すると、東京都はほぼ横ばいであるが、他の3県は10~15棟前後の増加となっている。
都県別の供給割合(棟数ベース)は、東京都が39.7%、神奈川県が12.9%、埼玉県が27.4%、千葉県が20.1%。

 

東京都の新規物件は、三井不動産レジデンシャル、住友林業、東栄住宅、飯田産業、等。拾遺物件では、三井不動産レジデンシャル、野村不動産、アグレ都市デザイン、等。
神奈川県の新規物件は、飯田産業、東栄住宅、アーネストワン、等。拾遺物件は、三井不動産レジデンシャル。
埼玉県の新規物件は、中央住宅、一建設、中央グリーン開発、等。拾遺物件は大和ハウス工業。
千葉県の新規物件は、中央住宅、中央グリーン開発、ポラスガーデンヒルズ、等。拾遺物件は積水化学工業・東京セキスイハイム。

 

(都県別最多平均ライン:4月)

 東京都:土地100~124㎡  建物90~99㎡  価格5,000万円台
 神奈川県:土地100~124㎡ 建物90~99㎡  価格3,000万円台
 埼玉県:土地100~124㎡  建物90~99㎡  価格4,000万円台
 千葉県:土地100~124㎡ 建物90~99㎡  価格4,000万円台

 

 

契約状況

2024年4月の月間契約率は34.4%。前月3月(34.4%)から横ばい。前年同月(36.3%)と比較するとやや低下となっている。
契約率は2022年4月以降、約2年間はほぼ前年同月を下回る状態にある。

都県別の契約率をみると、東京都は50.2%(前年同月44.6%)、神奈川県は30.0%(同69.3%)、埼玉県は19.9%(同21.1%)、千葉県は25.7%(同21.1%)となっている。
東京都が50%を超えているが、神奈川県は30%台、千葉県は20%台、埼玉県は10%台と苦戦している。
郊外エリアで、なおかつ徒歩15分以上やバス便物件、支線エリアの物件が多くなっており、それらの物件で出足が鈍い物件が多くなっている。特に契約率が低迷している神奈川県、千葉県、埼玉県で駅遠物件が多くなっている。

東京都では、新規物件は「ファインコート武蔵小金井ルミナスシティ第1期1・2次」(12棟)、「グローイングスクエア西荻窪グランディスト第1期」(2棟)、「イニシアフォーラム三鷹第1期」(3棟)等が好調。拾遺物件では「プラウドシーズン西国分寺エアガーデン」(30棟)、「アグレシオ成増」(2棟)、等が好調。
神奈川県では、新規物件は「グレーシアライフ青葉市が尾」(5棟)が好調。拾遺物件は「ファインコート湘南片瀬コーストアベニュー第2期」(4棟)が良好。
埼玉県では、拾遺物件の「セキュレア東越谷3丁目」(7棟)が健闘。
千葉県では、拾遺物件の「スマートハイムシティ流山富士見台」(12棟)が良好。

 

 

(都県別供給・契約動向)

■東京都:277棟 … 契約率50.2%
「プラウドシーズン西国分寺エアガーデン」(30棟)はJR中央線・武蔵野線「西国分寺」駅徒歩7~9分。約半年間で全30棟を完売し好調。区画条件により価格帯に幅があり、来場者の予算レベルに合わせて申込みが分散した。
■神奈川県:90棟 … 契約率30.0%
「ファインコート湘南片瀬コーストアベニュー第2期」(4棟)は江ノ島電鉄「湘南海岸公園」駅徒歩5分。4棟を即日完売し好調。土地、建物とも面積を抑え、値ごろ感のある価格に抑えたことが奏功した。支線ながら駅徒歩5分の駅近立地が評価。
■埼玉県:191棟 … 契約率19.9%
「セキュレア東越谷3丁目」(7棟)は東武伊勢崎線「越谷」駅徒歩17~18分。接道や日照・採光など条件志向が伺える客付き。太陽光発電や外張り断熱などが標準装備。
■千葉県:140 …契約率25.7%
「スマートハイムシティ流山富士見台」(12棟)は東武野田線「江戸川台」駅徒歩15分。建売住宅12棟と建築条件付宅地27区画からなる計39区画の「流山リードタウン」。「流山おおたかの森」や「柏の葉キャンパス」を生活圏とするロケーションが評価された。Iotや太陽光発電、タウンマネジメントなど先進のハード&ソフトの充実が好評。

 

【2024年平均概要推移】
■月別供給棟数の推移

地域 東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 茨城県 山梨県 首都圏計
1月 供給棟数 224棟 100棟 119棟 46棟 7棟 ー棟 496棟
市場シェア 45.2% 20.2% 24.0% 9.3% 1.4% ー% 100.0%
2月 供給棟数 364棟 86 262棟 86棟 ー棟 ー棟 798棟
市場シェア 45.6% 10.8% 32.8% 10.8% ー% ー% 100.0%
3月 供給棟数 230棟 76 147棟 68棟 3棟 ー棟 524棟
市場シェア 43.9% 14.5% 28.1% 13.0% 0.6% ー% 100.0%
4月 供給棟数 277棟 90 191 140 ー棟 ー棟 698棟
市場シェア 39.7% 12.9% 27.4% 20.1% ー% ー% 100.0%
5月 供給棟数 ー棟 ー棟 ー棟 ー棟 ー棟
市場シェア ー% ー% ー% ー% ー% ー% ー%
6月 供給棟数 ー棟 ー棟
市場シェア % % % % ー% ー% %
7月 供給棟数 ー棟 ー棟 ー棟
市場シェア % % % % ー% ー% %
8月 供給棟数 ー棟 ー棟
市場シェア % % % % ー% ー% %
9月 供給棟数 ー棟 ー棟
市場シェア % % % % ー% ー% %
10月 供給棟数 ー棟 ー棟
市場シェア % % % % ー% ー% %
11月 供給棟数 ー棟
市場シェア ー% % % % % ー% %
12月 供給棟数 ー棟 ー棟 ー棟
市場シェア % % % % ー% ー% %
累計 1,095棟 352棟 719棟 340棟 10 ー棟 2,516棟
43.5% 14.0% 28.6% 13.5% 0.4% ー% 100.0%

 

■平均商品水準の推移

物件数
(件)
供給棟数
(棟)
発売当月契約率(%) 平均価格
(万円)
平均土地面積
(㎡)
平均建物面積
(㎡)
1月 70 496 29.2 5,951 119.43 98.09
2月 110 798 50.3 5,685 123.72 99.08
3月 77 524 34.4 5,130 120.51 97.26
4月 104 698 34.4 5,554 121.37 97.49
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月

※平均値→中間値掲載物件は中間値×棟数で販売総額換算

 

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