市場データ

首都圏分譲マンション市場動向(2024年)

2024年1月

【2024年1月の分譲マンション市況】

全体概要
1月の供給は105物件1,758戸。目玉物件の新規発売が集中し、6か月ぶりに前年同月を上回る。
目玉物件好調で契約率80%超。広面積・高グロス物件が多く、平均概要は大きく拡大・上昇。

2024年1月(当月)の首都圏における新築分譲マンションの供給戸数は、1,758戸で、前年同月(1,533戸)に比べ+14.7%の増加。6か月ぶりに前年同月を上回った。エリア別では、東京23区(654戸/+12.8%)、神奈川県(434戸/+55.0%)、千葉県(354戸/+24.2%)で大幅に増加した。一方、都下(206戸/▲11.6%)、埼玉県(110戸/▲24.7%)で大幅に減少した。
平均契約率は80.6%で、7か月連続で70%を上回っている。前年同月(75.9%)比でも+4.7ポイント上昇した。埼玉県(69.1%/▲24.7pt)以外のエリアで70%を上回った。70%超のエリアは、東京23区(76.5%/+6.2pt)、都下(85.0%/+10.8pt)、神奈川県(81.8%/▲1.4pt)、千葉県(87.9%/+0.9pt)。
平均価格は8,148万円で、前年同月(5,728万円)に比べ+42.2%の大幅な上昇。3か月連続で前年同月を上回っている。都下(5,263万円/▲8.5%)以外のエリアで上昇した。上昇エリアは、東京23区(11,750万円/+70.6%)、神奈川県(6,667万円/+24.1%)、埼玉県(5,030万円/+2.2%)、千葉県(5,960万円/+41.7%)。
平均面積は68.45㎡で、前年同月(61.06㎡)に比べ+12.1%の拡大。全エリアで拡大した。エリア別の内訳は、東京23区(65.68㎡/+14.5%)、都下(66.74㎡/+1.4%)、神奈川県(70.39㎡/+19.2%)、埼玉県(66.76㎡/+8.0%)、千葉県(72.73㎡/+10.4%)。
平均坪単価は@393.5万円/坪で、前年同月(@310.2万円/坪)に比べ+26.9%の大幅な上昇。平均価格同様、3か月連続で前年同月を上回っている。エリア別では、東京23区(@591.4万円/坪/+48.9%)、神奈川県(@313.1万円/坪/+4.1%)、千葉県(@270.9万円/坪/+28.4%)で上昇。一方、都下(@260.7万円/坪/▲9.8%)、埼玉県(@249.1万円/坪/▲5.3%)では低下した。
<消費者態度指数>
当月の内閣府発表の関東の消費者態度指数(39.0ポイント)は、前月(38.0ポイント)から改善(+1.0ポイント)。2か月連続で改善した。賃上げの広がりと直近の消費者物価の上昇が緩やかになってきていることが改善の要因とみられる。また、当月の「耐久消費財の買い時判断」(32.8ポイント)は、前月(31.6ポイント)から改善(+1.2ポイント)。4か月連続で改善している。指数を構成するほかの3項目(暮らし向き/収入の増え方/雇用環境)も改善した。内閣府は消費者マインドの基調判断を、前月までの「改善に向けた動きに足踏みがみられる」から「改善に向けた動きがみられる」に上方修正した。
<日経平均株価>
当月の日経平均株価(36,286円/最終取引日終値)は、前月(33,464円/同)から上昇。2か月ぶりに上昇した。上昇率は2023年11月の+8.5%以来の大きさだった。
当月通じて上昇基調。上旬は33,000円台で推移。1/10に34,000円を突破すると、翌1/11に35,000円に達し、その後も上昇。1/22には36,546円を付け、終値としてはバブル期の1990年2月以来、約33年11か月ぶりの高値となった。1/23以降は概ね36,000円台で安定推移した。
当年に入っての新NISA制度のスタートに加え、円安・ドル高で国内の輸出関連株に海外投資家の資金が流入したことが追い風になった。海外投資家が暗雲の漂う中国市場から日本市場に資金を振り向けていることも日本株好調の一因となっている。さらに、日銀が22~23日に開いた金融政策決定会合では、近い将来の政策修正が示唆されたものの、金融緩和策は維持され、利上げ懸念は後退。日経平均は一段上昇した。
新NISAでは、非課税保有期間が無期限化され、投資可能額も大幅に拡大した。新制度が始まって1か月でNISA口座の新規開設数は飛躍的に伸びており、個人投資家のすそ野は広がっている。新NISAでは国内企業の好業績も後押しし、長期保有を視野に入れた高配当株への投資が人気となっている。


<供給戸数>
当月の供給戸数(1,758戸)は、前年同月を+15%弱上回った。当月は各エリアで大型・大規模物件の新規発売が集中。販売件数は前年同月から10物件弱減り、中小規模物件の新規発売も少なかったものの、全体の新規発売戸数は前年同月比+33.2%と活況だった。
エリア別では、中央区で大規模タワー物件の新規発売があった「東京23区」(+12.8%)をはじめ、横浜市戸塚区、川崎市中原区、鎌倉市で大型・大規模物件の販売がスタートしたと「神奈川県」(+55.0%)、浦安市で大型物件の販売がはじまった千葉県(+24.2%)の増加が目立つ。
「東京23区」は3か月連続、「千葉県」は2か月連続で前年同月を上回っている。「神奈川県」は2か月ぶりに前年同月を上回った。他方、「埼玉県」は9か月連続の前年同月比減。「都下」は2か月ぶりに前年同月を下回った。
なお、当月の供給戸数は2021年1月(2,017戸)比▲12.8%、2022年1月(2,227戸)比▲21.1%。2021~2023年の1月で比較すると、2023年以外は減少している。当月も埼玉県の供給が少なく、供給戸数(110戸)は2021~2022年の単月ではなかった低い水準。埼玉県の供給減が全体に影響し、2021年1月・2022年1月の2,000戸超の水準に届かない一因となっている。
<平均契約率>
当月の平均契約率(80.6%)は、新規発売・継続販売ともに好調で80%を超えた。「東京23区」(76.5%)は75%超、「都下」(85.0%)、「神奈川県」(81.8%)、千葉県(87.9%)では80%超となり、全体を押し上げた。
「東京23区」と「都下」は3か月連続、「神奈川県」と「千葉県」は5か月連続で70%を上回っている。一方、「埼玉県」は2か月連続で70%を下回っている。
<平均価格/平均坪単価>
当月の平均価格(8,148万円)と平均坪単価(@393.5万円/坪)は、前年同月より大幅に上昇。当月は中央区で@700万円強/坪のタワー物件、渋谷区で@1,000万円弱/坪の低層大型物件が新規発売されるなど、東京23区での高額物件の供給が多く、全体を押し上げた。このため、@600万円/坪以上の供給割合は、供給戸数の16.0%(281戸)と、前年同月の3.3%(51戸)から大幅に拡大した。なお、価格の水準の高い東京23区の供給シェアは37.2%と、前年同月の37.8%とほぼ同じだった。
エリア別の坪単価は、「東京23区」(+48.9%)は2か月連続、「神奈川県」(+4.1%)は5か月連続、「千葉県」(+28.4%)は12か月連続で上昇している。一方で、「都下」(▲9.8%)と「埼玉県」(▲5.3%)は2か月連続で低下している。
<平均面積>
当月の平均面積(68.45㎡)は、前年同月から大幅に拡大。当月は広面積物件の供給が多く、コンパクト物件の供給が少なかった。当月は浦安市で平均面積89㎡台の新規物件が登場するなど、平均面積80㎡以上の供給割合が供給戸数の9.6%(169戸)と、前年同月の1.3%(20戸)から大幅に拡大。加えて、平均専有面積50㎡以下のコンパクト物件の供給割合も供給戸数の8.4%(147戸)と、前年同月の23.9%(366戸)から大幅に縮小した。

<2024年2月の供給見込み>
2024年2月は、約2,000戸の供給見込み。

TOPへ戻る